2011 12,03 23:50 |
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今年観て良かったという映画はある、10年に一本の名作もある。この『ジュリア』は、恐らく死ぬまでずっと心の奥底に引っかかり続けて忘れられないそんな一本だ。何度観たか分からないけど、その度ひきこまれてしまう。
少女時代のリリアンとジュリアの友情、大作家ダシール・ハメットとの共同生活、作家としての成功と挫折、忍び寄るナチスの影と多くの要素を取り入れながらもそれぞれが驚くほど融合し、互いに共鳴して一つの物語として紡がれている。人生のドラマとしても、大人のラブ・ロマンスとしても、そしてサスペンス映画としても良くできている。 圧巻は、ナチス・ドイツに支配されたベルリンへ単身乗り込むユダヤ人のリリアン役のジェーン・フォンダとジュリア役のヴァネッサ・レッドグレーブの演技。本当にものすごい過去と困難を乗り越えて再会したような、映画史上最高の名場面の一つだろう。どうすればこんなすごい演技ができるのか、人間が表現できる最高のものの一つがこのベルリンのカフェのシーンにある。 ジェーン・フォンダは、この映画の演技と、『チャイナ・シンドローム』の演技が一生忘れられないなあ。 戦争によって引き裂かれてゆく友情、自分さえよければ良い人間たちの中で信念を貫き通す人々、子供の頃初めてこの映画を観た時の衝撃は、今も鮮明だ。 オープニング・シーンの構図も秀逸。栗5つ。 午前10時の映画祭 TOHOシネマズみゆき座にて。
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