2008 08,09 16:30 |
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エミール・ゾラの原作をルネ・クレマンが映画化。共感できぬ内容だが、人間への洞察は鋭く深い。
甲斐性のない男は、見ていて本当にいらいらするくらい情けない。こんな登場人物に共感はできないし、主人公の女性の行き方もまた然り。 しかし、主人公をとりまく市井の人間たちの妬み、同情、欺瞞、裏切り、かけひきは、どれも人間の恥部のようだが、それこそ人間の本質とばかり、日常のなかに描ききるあたりは、見ていて本当に身につまされる。 愚かな行為があくまで人間らしく、端から見ていると許せぬ行動がまさに人間そのものなのだ。 救いのないラストは、それでもこれが人生だと、重く胸にのしかかる。 栗4つ。京橋・近代フィルムセンターにて。 |
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