2011 08,14 12:22 |
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この映画は、賛否が分かれそうだなあ。テレンス・マリックは、40年間で5本の映画しか監督していない。されど、『天国の日々』一本だけで、この監督は、映画の神様だなあ。
今作も、前作『ニュー・ワールド』同様、溢れ出るイメージの洪水は、まるで映像化された交響曲のよう。音楽に映像を付けたような奇跡の編集は、ディズニーの『ファンタジア』を彷彿させる。 今回、一番驚いたのは、テレンス・マリックが、CGや特殊効果を使用したこと。宇宙的広がりと地球誕生から太古の世界を圧倒的な映像美で描く序章は、まるで『2001年宇宙の旅』の猿人が投げる骨から宇宙船に切り替わるあの名場面を思い起こした。 宇宙や地球の誕生からしたら、ちっぽけな人間の営み。長々と見せられた太古の物語の後に、正直どこにでも転がっている退屈なある家族の日常がさらに延々と描かれる。さしたるストーリーもなく、観客は、登場人物の断片的な記憶の反芻に引きずられる。 娯楽的な側面は少なく、楽しい映画を期待してくると不満になるだろう。ブラッド・ピット主演ということで大劇場での公開となっているが、かなりの人ががっかりするだろうね。 また、これまでのマリック監督のファンもちょっと驚くかもしれない。特殊効果やそうは言っても物語として面白かったこれまでの作品とはかなり違ったものになっている。 家族の物語のようにも思える。しかし、神の存在と人間の死生観を問いかける深い作品になっている。死んだらどうなるのかねえ?宇宙から見たらそんなのどうでもいいこと。どうでもいいことに一喜一憂しているのが我々。でもそれが素晴らしき人生。考えると深みにはまっていくなあ。 溢れ出す映像の波を心で受けとめ、神、生と死について考えたい。 栗4つ。TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン2にて。 恐竜にも慈悲があるのかなあ?
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