2011 04,27 23:29 |
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久しぶりにすごい映画を観た。そして、これまで観たどんな映画とも違う。
ゆったりとした時間の流れ。森の囀り、静かな会話、目に染みる緑の映像に包みこまれる。 生きる者と死者と森の精霊が同じ食卓に並ぶ不思議な空間の演出に圧倒される。特に主人公の前妻が現れる場面は鳥肌ものだ。 森の中で赤く光る精霊の目、洞窟の描写はちょっとホラー映画な風情。王女と鯰の寓話は、神話のような美しさ、ブンミの義妹役の女優の完璧なまでの自然な演技、ラストの音楽も選曲も秀逸だ。 死期がせまる主人公ブンミは、前妻の幽霊に導かれ森の中の洞窟へと入っていく。それは、まるで産道のよう。死に行くものが産道を逆流するかのように、死が次の生を暗示している。 タイの僧侶が書いた冊子「「前世を思い出せる男」に着想を得たというこの監督。恐ろしいまでに美しい映像表現と何気ない会話に現れた人生感が素晴らしい。 日本や中国の古典文学にも出てきそうな東洋的輪廻の思想が不思議な感覚を体の中に呼び覚ます。 死が決して悲しいものでなく、あっけらかんと受け入れ(葬式のネオンの賑やかなこと)、また死者との対話を普通に行う時空を越えた不思議な世界に引き込まれてしまう。 栗5つ。久しぶりにものすごい作品を観た。いや、これは体験したに等しい。 渋谷・シネマライズにて。
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コメント |
大阪でやっていたのかもしれないが、気がついたら、神奈川と名古屋と広島のみ上映。この映画のために名古屋に行ってきたよ。言葉では説明できない映画だね。だから映画なんだけど。映画らしい映画。
【2011/05/0610:37】||のんだくれ#5cfcf98f1c[ EDIT? ]
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名古屋まで行ったんですね。でも、懐かしい場所でもあるからそれもいいですね。
この映画、ジワジワと体に染み込んでくるようなそんな映画でした。 |
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