2011 04,22 23:11 |
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「ディボース・ショウ」「 レディ・キラーズ」「バーン・アフター・リーディング」とこのところハズレが多かったコーエン兄弟だけど、「ノーカントリー」で久々にものすごいものを見せてくれた。そして、これ、アカデミー作品賞にノミネートされていながら日本未公開だった。確かに内容、出演者ともにとても地味だ。 しかし、ものすごく見ごたえある映画だ。初期のコーエン兄弟を彷彿させるテイストにワクワクドキドキ。ほとんど知らない俳優だけど、みな芸達者ですごく楽しめた。 ユダヤ教のいろんな行事が興味深かった。ラビと信者の関係がまた面白い。 以前の「ブラッド・シンプル」や「ファーゴ」のように何気ない人生の選択が、その後のとんでもない展開へと進んでいく。人間は、それに対して右往左往してしまうのだが、冒頭のポーランドの挿話の「起こる事象の全てを受け入れよ」よろしく、東洋の「塞翁が馬」のような思想が伺える。 コーエン兄弟の特有の鮮烈なイメージとブラックユーモアに久々に回帰した傑作。人間のダメなところも、愛すべきところも全てがよく表現されたまるで古典落語のような作品だ。 市井の人々がみなとんでもないのがこの監督の映画の面白いところだ。ラストも秀逸。 栗4つ。 ヒューマントラストシネマ渋谷 スクリーン3にて。 |
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