2005 08,08 20:25 |
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オープニングから陸軍のPRそして、西南戦争の場面へ。この映画、西南、日露、日中と3つの戦争とその時代の家族を追った映画である。 中心となるのは、日中戦争。当時の福岡の街並みが美しい。笠智衆と東野英治郎の頑固者同士の確執は、時に喜劇でもあり、そしてその対立が当時の表と裏の意見を象徴している。笠の戦友役の上原謙とのシーンは、戦争を賛美した台詞が多い。 こ の映画は、戦時中に公開され、戦意高揚映画であるが、反戦映画でもある。台詞は、全て戦争を賛美で、戦友との交流を美化しているが、ラスト10分、田中絹 代演じる母親が息子の姿を出兵パレードの中に追うシーンは、鳥肌が立ち涙腺が刺激される。最初は、泣いてしまうからと見送り行かなかった母が、パレードの 音にひかれて、駆け出して行く、息子を見つけ、見つめるその笑顔は、切なさとやりきれなさをも表現し、田中は、最高の演技を見せる。 この映画を初めて観たのも、銀座の並木座。隣で観ていた白髪のおばあさんが、ラストで号泣し始め、僕ももらい泣きして声を上げて号泣してしまった。気づくとあちこちですすり泣きと号泣。涙が止まらなかった。 陸軍 昭和14年 松竹 監督:木下恵介 出演:田中絹代 笠智衆 東野英治郎 上原謙 杉村春子 |
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