2005 08,14 23:35 |
|
「きけわだつみのこえ」を読んだのは、高校生の時だと思う。それまで、戦前の日本は、軍国主義のかたまりのように思っていた。この本を読んで、それが間違いであったことに気づいた。
僕の年齢よりずっと若くして死んでいった彼らの手記を読むと、今の若者より遥かにものごとを考え、きちんと世界情勢を見ており、そして何よりも自分のことをよく知っていたと思う。 いつも心の片隅にあって忘れられないフレーズがある。それは、「きけわだつみのこえ」第二集にあった長門良知さんの次の言葉である。 「国に殉ずるということ、戦死するということ、それは何も犠牲といわれるべきものでなくて、ある人間のある時代における生き方、必死の力をこめた生き方そのものである」 学生の頃も、このフレーズでページをめくる手が止まり、暫く物思いに耽り、目頭が熱くなった。 今の自分は、こんなにも物事を考えているだろうか。この時代に生きているということは、いったいどういうことなのだろう。 |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |