2010 11,20 21:33 |
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この映画を作った全ての人を誇りに思う。そして、かつて日本映画界にこんなにもすごい映画があったんだと、その底力には感服してしまう。
まさに黒澤映画の集大成、魂を揺さぶるヒューマニズムの傑作中の傑作だ。 三船の存在感は、圧倒的。全てが素晴らしく、彼以外の配役は考えられないほど。物語は、新入りの医者役の加山雄三の視点で展開していくが、群像劇さながら、多くの登場人物の生き様が織り込まれている。どれも悲惨で、切なく、絶望的ながら、その中にささやかな幸せと生きる希望が垣間見える。 そして、それぞれが強烈な印象を残す俳優陣の演技と演技とぶつかりあいに驚愕する。 過酷の環境の中、それでも生きている人間がいる。「どん底」がとことん希望がないなか、この「赤ひげ」では、人間の優しさと強さの連鎖が他の人々への支えになっている。 途中、何度も鳥肌が立ち、涙腺が切れそうになる。 最初反発している若者が成長していく様が描かれるが、その真っ当な物語展開はあまりに直球だが、心の底からの感動を与えてくれる。 映画を観て、魂が揺さぶられる、そんな数少ない体験をさせてくれる映画史上に残る傑作だ。 栗5つ。なにもかもが完璧。栗10個くらいあげたい。 京橋・フィルムセンターにて。
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