2010 11,14 21:29 |
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「生誕百年 映画監督 黒澤明」が京橋のフィルムセンターで始まった。黒澤の作品は、全部スクリーンで観ている。名画座やリバイバルがほとんだだけど、全作ビデオでなく映画館で観ている。
そして、こういう特集上映の時は、やっぱりかかさず観にいってしまう。映画は、テレビの画面ではやっぱり物足りない。 この作品は、シェイクスピアの『マクベス』を戦国時代に置き換えたもの。脚本には、 小国英雄、橋本忍、菊島隆三、黒澤明と日本映画の神様的存在の名前が連なる。 三船敏郎の存在感は言わずもがなだが、圧巻は、山田五十鈴だ。彼女の動きには、能の技法が取り入れられ、暗闇から現れる不気味な演出は、背筋がぞっとするほど強烈な印象を残す。 森を疾走する馬に乗った武士、不気味なもののけ、効果的に使われた靄や霧と映像表現にもハッとさせられる。 もののけの予言に振り回されながらも、忠義や信頼をかなぐり捨て、自分の欲望と野望のままに滅び行く人間の悲しい生き様が凄まじい。天下を取ろうとする武将の影で、不気味に男を操る女の恐ろしさも強烈だ。 そして語り草にもなっている有名なラストの弓矢のシーンの迫力たるや、キューブリックの「シャイニング」も真っ青になる。 栗5つ。久しぶりに観てもやっぱりすごい。
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