2005 11,12 15:28 |
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素晴らしい、とっても素晴らしい。久しぶりに感動した展覧会だ! これは、必見!
展示の仕方もすごい。最初の真っ白い部屋に白い柱の列、その柱の裏に彼のモノクロの写真。彼の写真は、皆動かないものを撮影している。動かないものなのだが、それが光と影の絶妙なコントラストを生み出し、鳥肌が立つ。 圧 巻は、唯一動くものを撮った「ジャマイカの海」。今度は、真っ暗な部屋に海の水平線だけを撮った写真がいくつもいくつも続く。どれも何にも無いただの海の 写真だが、吸い込まれるような美しさだ。霧、光、海面が信じられないくらいの静寂を生み出し、まるで時空を越えた旅に出るような錯覚に陥る。 彼に惹かれたのは、アメリカの展覧会で観た、彼の映画館のスクリーンを撮った写真。今回も何点か展示されていた。なんという空間なのだろう。それぞれの内装の意匠も見事だが、映画館や劇場をスクリーンを中心に切り取ったアイデアに驚嘆してしまう。 驚きは、まだ終わらない。つづくロンドンのマダム・タッソーの蝋人形を撮った写真は、独特の光の当て方で、まるで生きている人間のようだ。博物館のジオラマも、まるで大自然を切り取ったかのよう・・・。 三十三間堂の仏像群を切り取って配列したその不思議な魅力にも取り付かれた。 一つ下のレオナルド展に比べると人が少なかったが、その分ゆっくりと静かな空間で鑑賞できる。本当に、なんという空間なんだろう。吸い込まれるような、一人隔絶されるような、なんとも言えないこれは、体験する展覧会だ。 会期中、何度も行きたくなる。六本木ヒルズ・森美術館にて。 |
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