2009 10,12 16:49 |
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久しぶりのジム・ジャームッシュ作品。前作「ブロークン・フラワーズ」がびっくりするくらい分かりやすい映画だったので、かえって今回の作品の方がジャームッシュらしく、懐かしい。
好き嫌いは分かれるだろうね。単調なリフレインは、なかなかに忍耐を必要とする。 つっこみどころはたくさんあるんだけど、やっぱりこの映像と音楽には、心底酔ってしまう。どちらかというとワンシーン、ワンショットが好きな僕だけど、彼の短いカットと渋い音楽をあわせた編集には、グッとくる。 そして台詞だ。字幕を見ているだけだとつまらないが、英語とスペイン語がまるで旋律のようで耳に心地よい。また、深遠な台詞はそれだけで詩のように美しい。 ジョン・ハート、ティルダ・スウィントンの演技がグッときた。また、スペインが舞台というのが不思議な雰囲気を醸し出すのに成功している。 この映画は、ピンク・フロイドの音楽のように狂おしいまでのリフレインで、繰り返される人生のテーマの中にいろんなことを考えてしまう。 想像力への旅。そんな映画だ。 大好きなビル・マーレイをアメリカ人としてしまい、誇り高く奢れるものの象徴にしてしまったところがちょっと短絡的な感じがしてしまった。もっと深遠なるもの、または決着をつけない方が個人的には良かったかな。 工藤夕貴の演技は、名優陣の中で浮いていたが、日本語の台詞「宇宙に中心も端もない」というのは好き。 シネカノン有楽町2丁目にて。 フラメンコのシーンも好き。栗4つ。
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