2009 07,20 22:54 |
|||
こちらも久しぶりにスクリーンで鑑賞。建て直す前の文芸座で観た。それも高校生の時だから、もう20年以上前だよねえ。
この映画は、大好きなのだ。好きなアメリカ映画では、3本の指に入る。この映画1本で、監督のボブ・ラフェルソンは、僕の中ではスーパーだ。 社会の頂点と底辺とその両方のどちらにも自分の居場所を見出せず、周囲の身勝手な人間たちに嫌悪する主人公の気持ちがたまらない。 労働者の主人公が、混雑する高速道路で車の荷台のピアノを演奏するシーンで、実は、彼が上流階級の人間だと知らしめるのが秀逸。カレン・ブラック の無知で下品な馬鹿女の演技は、度肝抜くほど上手く、彼女の演技がこの映画に与えた影響はすごく大きい。主人公、ジャック・ニコルソンと車椅子で言語機能 も麻痺している父親との一方の通行の会話が、一番人間的な交流になっているのが、なんとも切なく痛々しい。 ラストの余韻もたまらない。 こんな映画が、昔はアメリカにあったのだ。 自分の居場所はどこにある、生きることの無意味さから意味を見出そうとする、なんともすごい映画だ。 栗5つ。アメリカ映画の傑作中の傑作。 早稲田松竹にて。
|
|||
コメント |
コメント投稿 |
|