2009 07,04 21:55 |
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ベルンハルト・シュリンクの原作「朗読者」は、随分前に読んだ。当時、世界的ベストセラーになっており、アンソニー・ミンゲラが映画化権を買って話題にもなった。生きていたら彼がメガホンを取っていたのだろう。
映画は、原作を無難にまとめている。先に原作を読んでいると、やはり自分がイメージした人物と役者とのギャップがあるが、それを吹き飛ばすほどケイト・ウィンスレットは素晴らしかった。 彼女が守りたかった尊厳と当事者にしか分からない罪悪感、映画も原作もその核心の部分は明確にはしていなく、その答えは観客(読者)に委ねられている。それ故、腑に落ちない思いと理解を超えた感情の余韻とが拮抗する。 映像でありながら、変に戦時中の場面を挿入せず、原作同様言葉で説明している点、朗読される古典の持つ言葉の美しさが秀逸で、今年もっとも心に染みる映画の一本であろう。 栗4つ。 TOHOシネマズスカラ座にて。
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