2006 02,14 20:30 |
|
今日は、なんだか無性に「厩火事」が聴きたくて、会社を早めに出て(と言っても定時は優に越えてたが・・・)日本橋へ。市馬師匠となれば、絶対に良い噺を聴かせてくれるに違いないと・・・。
今 日は、幕が開く前から笑えた。前座さんが、アナウンスで次回の落語会の案内をしていたが、終わってからまたすぐアナウンスで「ただ今、師匠の名前を訛って 紹介してしまったので、言い直します」だって・・・。確かに、あのアクセントでは、魚市場とか青果市場の「いちば」だね。他の師匠の名前もネタの名前もこ とごとく変なアクセントだった。 で、一番太鼓が鳴り、二番太鼓が鳴って、お囃子かと思いきや、また前座さんのアナウンス・・・、「えー、 ただ今の二番太鼓、後半かなり乱れましたので、やり直します」だって。もう場内拍手喝采の大爆笑。しかし、やり直してもかなり下手くそだった。あんな調子 ぱずれの太鼓は、初めて聴いた。がんばれ、市馬師匠のお弟子さん・・・。 市松 「金明竹」 表情がまだまだ硬いがネタの面白さに助けられかなりウケていた。垢抜けしない、なんとも素朴な味はある。 市馬 「厩火事」 何 度聴いてもこの噺はいい。落語の傑作中の傑作。人間の本質を凝縮している。なんと人間とは、可愛く、可笑しく、切ない生き物なんだろう。構成もとっても良 く出来ていて、主役のお先さんと仲人の会話と、その中に挿入される孔子の話など、まるで一本の映画を観ているようだ。伏線も非常によく敷かれていて驚かさ れる。 市馬師匠のお先さんは、とても可愛く、可笑しくて大いに笑わせてくれるが、クライマックスの茶碗割りでは、涙腺が刺激されしみじみしてしまう。 また、落語のサゲも本当に良く出来ている。傑作の落語を粋な噺家で聴ける、こんな至福な時間はないのである。 市馬 「高田馬場」 こちらもあまり寄席ではかからない噺かなあ。聴くのは、二度目かな。前半の蟇の油の見事な口上から、一転後半の仇討ちを絡めた軽めの面白話は、肩の力を抜いてリラックスして聴けた。爽やかな満足感で寄席を出る。あー、やっぱり幸せだなあ。 |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
trackback |
トラックバックURL |