2006 02,15 20:29 |
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「シンドラーのリスト」では、ユダヤ人がナチスに何をされてきたかを描いていたが、この映画ではユダヤ人が何をしてきたかを描いている。まるで、エリ・ ヴィーゼルがアウシュビッツの体験を「夜」に書き、戦後ユダヤが何をしたかを「昼」に書いたように・・・。何をされたかだけでなく、何をしてきたかを見つ めている。その意味で、スピルバーグをちょっと見直した。
映画は、1972年のミュンヘン・オリンピックのテロ事件に発し、まあいきなり そのものから始まるのがスピルバーグらしいが、その後の復讐にドラマの焦点を置いている。いつものことだが、登場人物の内面の葛藤などは、全く演出できて いないが、淡々としていてかえってドキュメンタリーのようで良い感じにはなっている。 観るべきは、前半の演出で、当時の実際のニュース映像をからめた編集は、お見事。緊張感もあり、なかなかである。ただ、後半は、息切れして、編集も演出も粗くなり、普通の映画の展開になってしまうのが残念だ。 それでも、復讐が復讐を繰り返すこの悪循環を悲しく見つめるこの映画は、観る価値がある。いや、観るべし、観るべし、絶対に観るべし。 栗4つ。 スピルバーグの映画が面白いと思ったのは、「レイダース」以来だね。久しぶりに見応えがある。長い上映時間もあっと言う間。 丸の内プラゼールにて。 |
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