2006 03,03 18:34 |
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チャン・イーモウが僕らのところに帰ってきた。このところ、「HERO」や「LOVERS」で、遠いところに行ってしまっていたイーモウがイーモウらしい 映画で帰ってきたのだ。高倉健と日本人キャスト以外、中国のキャストは、全て素人。それななのに、あまり自然に演技する彼らとそれを演出するイーモウに感 服する。まるで、「あの子を探して」の懐かしさがここにある。
秀逸は、片言日本語の現地ガイドのチュー・リンと短い出演シーンながら高倉健を圧倒するほどの印象を残す子役のヤン・ジェンボーだ。この子役と高倉健との一夜がこの映画のハイライトでとても感動的だ。 日本と中国のそれぞれの父子の葛藤を描いていて素晴らしいが、昔のイーモウの作品に比べると深みが無いのが残念だ。 高 倉健は、久しぶりに良い演技を見せる。僕は、小学生の頃から高倉健の映画を観ているが、かつての憧れの大スターも随分年老いてしまったなあと実感。それで も、テレビと映画と同じ役者ばかりの日本において、真の映画スターは、やっぱり高倉健だ。でも、彼も75歳。20歳下のファンとしても55歳と考えると、 そろそろ観客動員につなげるのは中々難しいのかもしれない。 この映画のもう一つの主役は、中国の美しい風景だ。心を奪われるその圧倒的な景観と行ったことがないのに何故か感じる懐かしさだ。 子役と高倉のからみだけでも観る価値がある。昔のイーモウ作品と比べてしまうと厳しいものがあるが、今年、しみじみとした静かな感動を与えてくれる1本であることは、間違いない。 ヴァージン東宝シネマ スクリーン3にて。 栗3つ半。 |
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