2006 03,05 22:36 |
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ロバート・アルマン風の群像劇。人種問題という難しいテーマを取り上げている重厚な作品。「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いたポール・ハギスが、自ら脚本を書き、監督している。「ミリオンダラー・ベイビー」より奥深く、心に染みる映画だ。
圧巻なのは、マット・ディロン。この人、こんなにすごい役者だったのね。特に主人公がいない配役の中で、一番光輝いている。 ストーリーは、単に重たいテーマを取り上げているというだけでなく、スピード感あり、スリルあり、サスペンスありで、エンターテイメント性も高い。 こういう映画は、アメリカに住んでいる人が観ると、もっともっと心にぐさりぐさりと突き刺さるのだろう。結局、うわべの平静さの影に常に他の人種に対する偏見と畏敬の念があるということなのか。 この映画は、思いテーマを直接的にぶつけてくるが、その中にも、小さな希望を随所に散りばめている。人間の負の本質とそれと拮抗する小さな希望がLAの殺伐とした雰囲気の中に描かれていて、なんとも言えない味わいを醸し出している。 どいつもこいつも非人間的であると同時にあまりに人間的。それが人間なんだろう。 今年は、見応えある映画が本当に多い。明日のアカデミー賞の発表が楽しみだ。 栗4つ。 チネッチッタ川崎 スクリーン4にて。 |
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