2006 04,01 23:46 |
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「ドッグヴィル」の続編。前作同様、舞台リハーサルのような簡素なセットに敷居を示す線のみ。照明を効果的に利用した映像は、カラー作品ながら深い陰影に富む。
今 回も人間の嫌な部分をこれでもかと見せつけられ、見ている間中、かなり気分が悪くなる。それは、ある意味、人間にとって本質的なもので、監督のラース・ フォン・トリアーに言われなくても分かっているよ、ボケと心の中で叫んでしまう。今回、全編を通してひしひしと伝わるのは、人間の奢りの感情だ。主人公グ レースの奢った行動な、本人は、正義だと信じているのに、救いを受けているはずの黒人奴隷には、全くの余計なお世話ということなのだが、これは、完全なる アメリカ批判だ。そう、この映画は、アメリカ三部作と言われているが、アメリカ批判三部作だ。ある意味、大いに現実をえぐり出しているのだが、アメリカに 一度も来たことがないフォン・トリアーに見せつけられるのも、これまた余計なお世話に思える。 最後まで飽きずに観られるが、容易に予想がつく展開と結末は、はっきり言って拍子抜け。前作、「ドッグヴィル」に比べると、俳優陣が小粒で物足りない。設定の驚きは、もうないので、やはり、脚本をもっと凝るべきだっただろう。 言いたいことはよく分かるが、フォン・トリアー、お前に言われるまでもない。 栗3つ。日比谷シャンテシネ2にて。 |
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