2006 05,22 22:49 |
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志ん生を父に持ち、馬生、志ん朝のお姉さんである美濃部美津子さんの手記。戦前、戦中、戦後の貧乏だけど心は豊かだった家族の姿が温かく、可笑しく綴られている。
名人、志ん生の破天荒だけど憎めない人生に微笑ましくなってしまう。本当の芸人だったんだろうなあ。3人ともただの名人ではなくて、芸に対しては、とても努力の人だったというのも伺えた。 文章は、美津子さんが語りかけるように書かれており、直に話しを聞いているような感じになる。読んでいると、本当に三人が既に故人であることが信じられなくなる。遠い時代もまるで昨日のことのよう。夏の浅草演芸ホール、住吉踊りを観にいけば、ひょいっと志ん朝師匠が出てきてそうだ。 貧しいけど楽しく幸せな生活に微笑ましくなるが、やはり3人が亡くなっていく下りは、切なく、悲しくなってしまう。 志ん生は、さすがに僕らの生きる時代とは違うが、志ん朝のいない現代は、心にぽっかり穴の空いた寂しさがある。 三人噺-志ん生・馬生・志ん朝 美濃部美津子 扶桑社 (今は、文春から文庫も出ているみたい) ISBN 4-594-03722-4 |
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