2006 06,11 21:32 |
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湾岸戦争での負傷がその後の人生を狂わせる設定が良い。いくつもの伏線を置いていく謎に満ちた前半は、とてもよく出来ている。何しろ、映像ありきでなく、ストーリーありきの姿勢は、評価できる。
し かし、謎が明らかになってから正直退屈。驚くようなどんでん返しも、意表つく邪悪な展開もなくひたすら普通。もしかしたら、実は、この主人公、とんでもな い曲者かもしれないとか、精神病院での実験にとんでもない謀略が潜んでいるのではとか、観客の高い好奇心への期待は、見事に裏切られ、ただのタイム・トラ ベラー物のラブ・ロマンスになってしまっている。タイムトラベル・ミステリーの傑作「タイム・アフター・タイム」の足元にも及ばない。 し かし、ストーリーを重視している点、ジェニファー・ジェイソン・リーという演技派を脇に置いたところ、クリス・クリストファーソンの起用など、オールド映 画ファンへのサービスはたっぷり。特に、ジェニファー・ジェイソン・リーは、大好きな女優なので、久しぶりに観られて良かった。この人、演技力は抜群なの に、いまいち大スターになれなかったよなあ。 また、音楽のブライアン・イーノも秀逸。キーラ・ナイトレイは、清楚なキャラだけじゃなく、こういうダーティーなのもやるのね。その辺が、やっぱりハリウッド女優でプロなのね。 設定は良いし、伏線もよく敷いてあるのに、肝心のミステリー部分がお粗末。ただの、タイム・トラベラー&ラブ・ロマンス。「時をかけるおじさん」の物語。栗2つ。 銀座・東劇にて。 |
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