2006 06,20 20:18 |
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UTさんのブログで気づいた。昨日は、桜桃忌だった。僕が死んだら、棺桶に入れて欲しい本は、ただ一冊、太宰の「晩年」だな。僕は、太宰の文学ほど美しい 日本語にまだ会ったことはない。一行一行が詩のように美しく、そして凶器のように鋭く胸に突き刺さる。太宰は、僕の青春だったなあ。しみじみ。
学生の頃、荻窪に住んでいた。太宰は、遠の昔にいなくなっていたけど、当時、井伏鱒二は健在で、よく家の前を散歩で通った。荻窪の教会通り、太宰もここを歩いたかなあ、なんてもの思いにふけながら、夕暮れ時に通ったものだ。 今では、玉川上水で入水自殺なんて、信じられないほど穏やかな流れだ。写真は、三鷹の禅林寺にある太宰の墓。桜桃忌にかかわらず、いつも花が絶えない。 最近、以前より本を読まなくなったのは、やっぱり昨今の文学では、物足りないからだ。文章云々じゃなくて、同時代を切り取った、今の文学がないのだ。 |
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