2006 07,30 15:59 |
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ホテル・オークラの敷地内にある大倉集古館に行ってきた。小さい展示スペースながらも、興味深い展示品満載で、本当に充実した最高の展覧会だった。 メ インは、展覧会のタイトルにもなっている「随身庭騎絵巻(ずいじんていきえまき)」。鎌倉時代のもので国宝。随身とは、貴族が外出する際に警護にあたった 近衛府の官人のことであり、高い教養と優雅な美貌が求められたそう。絵巻を見る限り、しもぶくれでとても現代の感覚では、美男という感じではないのだが、 実存した人物の「似絵(にせえ)」として、大変貴重なものらしい。馬に乗っているその躍動感ある筆さばきは、圧巻だ。 他にも江戸時代の能面や能装束など私好みのものも多く、また江戸時代の絵などは、比較的新しいのか保存状態が良いのか、色鮮やかで驚いた。 そ して、何よりも今回の収穫は、「虫太平記絵巻」(江戸時代)だ。これは、登場する武士の頭上にいろんな虫(他に、蛙やトカゲなど)が乗っており、それがま げみたいで面白く、またその武士の内面を表現しており、とても興味深かった。終盤、首が無くなり虫だけが乗っているものや人物から逃げ出す虫などが描かれ ており、面白かったなあ。 日本人の美意識の素晴らしさを実感すると共に、こんなにも繊細な表現能力を持っていたのに、いったい今は・・・と嘆いかわしい思いにもとらわれた。 |
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