2008 11,24 15:55 |
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緒形拳の追悼特集にまた出かける。実際にあった西口彰事件を元にした小説が原作だ。
スクリーンに展開される人間の本能がおぞましい。さすが今村昌平、犯人を追う刑事や殺人事件現場のシーンはドキュメンタリー風、主人公にまつわる回想シーンは戦慄の人間ドラマになっている。 三國連太郎と倍賞美津子の温泉でのシーンは、禁断で危険でかつプラトニック、こんなにもエロティックで純潔な人間関係はないだろう。「鬼畜」では怖い女だった小川真由美の切ないまでの美しく儚い人生の表現も圧巻だ。 そして緒形拳の冷酷な演技は、最後に残忍で残虐でかつ優しい殺人を起こす。人間とは、矛盾した行動が道理となる不思議な生き物だ。 人間とは、生きるとは、何なのか、答の出ないその問に、この映画は、戦慄の表現で観る物の魂を貫きえぐる。 ラストの骨を投げるシーン、すごすぎる。 本当に、人間とはいったい何なのだろう? 栗5つ。傑作。 新宿ピカデリー スクリーン4にて。
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