2015 05,01 13:59 |
|
和服でゴールデンウィーク、昼食後は、何故か新宿歴史博物館へ。僕は、地域の郷土博物館って大好きなんだよねえ。旅先でも見つけたら、必ず入る。古い写真や書物の展示があると、面白くてついつい長居してしまう。東京にもなかなか良い施設がたくさんある。けれどもどこも空いている。個人的には、ゆっくり見られてありがたいのだけど、ちょっと心配になっちゃう。市電好きとしては、東京のちんちん電車には萌え〜。 江戸時代の内藤新宿。こういうジオラマ大好き。むしろ、作る作業してみたい。 こういう昔の家屋の再現も面白いよねえ。普段、落語で耳で聞いているものが、あ、これかあってとても新鮮だったり、納得だったりして、本当に面白い。 昭和初期のお茶の間。むしろ、ここに住みたい。 こちらも昭和初期の洋室。調度品のデザインを見ているだけでも楽しい。 他にも、新宿区ゆかりの作家の展示も興味深い。夏目漱石邸の模型や小泉八雲の関連資料など、願わくば手にとってじっくり見たいものばかり。 昔の古い写真もたくさん展示されていて、見入ってしまう。新宿駅西口の変貌は、本当に驚くばかり。 常設展示は、前回来た時と全く変わっていなかったけど、特別展で「新宿に縄文人現る」展をやってた。 最寄駅が地下鉄丸ノ内線の四谷三丁目駅というのが、なかなか用がないけれど、駅上に東京消防庁の消防博物館というのもあり、それと合わせて来るのはどうかな? 新宿区立新宿歴史博物館 東京都新宿区三栄町22番地 |
|
2014 11,20 22:10 |
|
僕は、普段から東京国立博物館の常設展示に来ており、また京都や奈良のお寺や博物館、特別公開などに足しげく通っていたので、展示物のほとんどが過去に観たことあるものばかりだった。特に東京の国立博物館の所蔵品は、普段も時折さりげなく展示されていて、特別展でなければゆったり観られる。まあ、展示品全てが国宝だから、一堂に会して観られるという機会は貴重ではあるけれど、この大混雑では見たというだけで、鑑賞というのにはほど遠いな。 それでも、今回見とれてしまったのは、藤原為家筆の「土佐日記」写本。紀貫之のオリジナルは現存しないため、こちらが「土佐日記」で一番古いものになる。仮名文字をこんなにも美しいと思ったのは初めてだ。まるで文字が生きているかのよう、そして常に一番美しい形で留まっている。されど、次の文字へと流れて行く。為家の手を見ていると、彼と時を超えて通信できているような不思議な感覚に陥った。一ページしか展示されいなかったのが残念だった。全ページ見たかったなあ。 善財童子立像・仏陀波利立像は、当時の色彩が残っている部分もあり、当時の衣装のデザインを知ることができ興味深い。像を横からも見られるので、陽のあたりにくい部分には、くっきりと赤い色が残っていた。 「日本国宝展」平成館 特別展示室 2014年10月15日(水) ~2014年12月7日(日) |
|
2014 11,07 16:39 |
|
街の中心からちょっと離れたところにあるこの美術館、わざわざ訪れたのは、岩橋英遠の「道産子追憶之巻」が展示されているから。Webの写真で部分的に見たことがあったのだが、やはり本物が見たかった。この絵、全長29メートル。高さは無いが、巻物みたいに長いのである。画家の故郷の北海道の景色が描かれているのだが、本当に美しい絵だ。長い絵は、右から夜、早朝、朝、昼、夕方、そしてまた夜と一日が描かれている。その一日の中に四季を投影していて、夜から早朝は冬、朝は春、昼は夏、夕方は秋、そしてまた長い冬の夜に戻る。北海道の大自然の中に動物がたくさん描かれている。特に夏から秋にかけて、トンボの数が徐々に増え、秋の夕暮れの中でおびただしい群れになるその美しさは、筆舌に尽くしがたい。写真と実物の絵では全く違う。動物だけでなく、大自然の美しさと厳しさの中に人間の営みも小さく描かれている。こんなに見応えのある絵は、久しぶりだ。 他に片岡球子の「伊豆風景」も素晴らしかった。これも本物の持つパワーと色彩、大胆な構成に圧倒された。富士山にイルカというのもなんか斬新。四季をいっぺんに一つの絵の中に描いていて、これもまた斬新だった。 久しぶりにすごい絵を観られたなあ。おまけに無料だったのに、平日で館内ガラガラだったし。ゆっくりじっくり鑑賞できた。大満足。 北海道立近代美術館 秋季名品選 11月24日(月)まで |
|
2014 10,09 15:16 |
|
こちらは、江戸東京博物館の常設展の展示室で開催されている企画展。「写真家・師岡宏次の写した50年」も開催中。常設展示の入場料金で観られる。1930年から50年にわたる銀座を写真で振り返る。戦争を挟み、銀座の姿は大きく変貌するが、またその街並にさらなる変化を与えたのが東京オリンピックだ。運河は埋め立てられて、その多くは道路になり、今や数寄屋橋始め名前にだけ橋が残る場所が多数。 |
|
2014 10,09 14:18 |
|
2
この展覧会、最大の見物は、亀倉雄策のデザインの数々だ。今見ても色褪せないどころか、むしろすごいとうならされる。 テレビ東京の「美の巨人たち」で有名なポスターの撮影秘話が放送されたが、その斬新な手法に驚いた。特に有名なのは、ランナーのスタートダッシュの瞬間を捉えたポスター。それまでオリンピックのポスターはイラストだったが、この大会で初めて写真が採用された。また、赤とゴールドのロゴも目を惹くね。 もちろん、今回このポスターも展示されている。新幹線関連の展示もあり、さぞかし大混雑かと思いきや、平日だったせいかガラガラだった。おかげでゆっくり鑑賞できた。 他に競技施設の模型も展示されていた。丹下健三設計の代々木競技場は、やっぱりいいデザインだなあ。2020年のオリンピックで新たに建てられるものは、ちょっと面白みにかけるよねえ。まあ、あまり膨大なコストをかけてももったいないというのは分かるけれど。
50年前のデザインの素晴らしさに圧倒された。 ただし、展示資料の数は、少ないねえ。もっとあるのかと思ったよ。 競技システムを担当した日本IBMの展示もぜひ! |
|
2014 08,28 15:33 |
|
フランクフルトの銀行家、シュテーデルのコレクションをもとに設立された美術館。フランクフルトを代表する美術館で館内も広い。1階が企画展、2階が印象派から近代美術、3階が古典と言った感じ。書籍がメインだがミュージアムショップと、またカフェも併設されている。 意外と空いていてゆったり見られた。絵画のコレクションももちろん豊富だが、個人的に面白かったのは近代に撮影された写真群。戦前のヨーロッパ都市の写真や著名人の肖像写真がとても興味深かった。チャップリンの映画でおなじみのリリアン・ギッシュの肖像写真もあったよ。ちょっと感動しちゃった。 日本人のお目当ては、これだろうね。フェルメールの「地理学者」。さりげなーく展示されている。日本だと絶対写真撮影できないけどねえ。 展示室ごとに壁の色が統一されていて面白かった。壁の色で全く雰囲気が変わるね。 シュテーデル美術館 Städel Museum http://www.staedelmuseum.de/sm/ 入場料:12ユーロ フラッシュを焚かなければ写真撮影可 チケットは、他にもデザインがあったみたい。 対岸の摩天楼がよく見える。 |
|
2014 07,30 14:40 |
|
2013 11,23 14:00 |
|
東京国立博物館でもすごい展覧会が開催中。国宝/重要文化財に指定されている洛中洛外図屏風が全7点(但し、前後期で展示替えあり)、御所、龍安寺、二条城の襖絵の展示と度肝抜く内容だ。 洛中洛外図屏風は、以前京都の国立博物館の狩野永徳展でも1点見たが、間近でみるのはその時も困難であった。今回もまず、細部にわたり鑑賞するのはほぼ不可能。というかこの企画、最初から特別展での鑑賞はそもそも無理があると思う。常設展示である程度長い期間展示しないとゆっくり見るなんて不可能だ。とにかく屏風の前は、人、人、人。例え、最前列が確保できたとしても、ゆっくり見られないし、そもそも上部には目が届かない。 洛中洛外図屏風は、本物をちらっと見たという事実を胸に、高精細の巨大スクリーンでじっくり部分を見た方がいい。最初の展示室のその映像で、どのあたりに興味深い人間の営みがあるかを確認し、見たいものだけ絞って本物で確認する、それしかできない。洛中洛外図屏風をゆっくり鑑賞など夢のまた夢だ。 高精細の巨大スクリーンでの屏風投影など、最近の東京国立博物館の展示方法は、凝ったものが多く、がんばっているなと思う。今回新しいのは、超高精細映像4Kで撮影した龍安寺石庭の四季。ほぼ原寸大のスクリーンに美しい四季の移ろいが投影される。春、夏、秋、冬、それぞれに美しい。 その龍安寺の襖絵が、シアトルとメトロポリタン美術館所蔵のものが里帰りし、同じ空間に並んでいる。これもまた次いつ実現するか分からない。 御所の襖絵も近くで見られる機会はそうないし、二条城の襖絵も近く見られないものが間近でかつ、実際の配置のまま鑑賞できる。高い天井を利用した圧倒的な展示、細部まで鑑賞できるのは本当に嬉しい。そして、こちらは屏風ほど混雑していない。絵の鑑賞というより、襖絵が作り出す空間を共有できるのだ。ま、実際のその場所に入れる方が遥かに素晴らしいのだろうけどね。 趣向を凝らした展示だし、恐らく二度と実現しないと思うので、今回絶対体感すべき。 特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」 東京国立博物館 12月1日(日)まで |
|
2013 11,23 13:50 |
|
随分前から行こう行こうと思っていたのに、気付いたら会期は明日まで。慌てて出かける。
行ってみたら、あらまあ大行列。入場までに一時間待ちと言われた。昼過ぎには、大分列の長さは短くなっていたけど、やっぱり美術館って午前中が混むのかな? すごい人だったけど、1時間も並ばずに館内に入れた。 僕は、仏像大好きで、特に奈良の仏像はたまらない。まだ多神教だから、いろんな種類の彫刻があり、またどれも躍動感溢れていて、今にも動き出しそうな迫力がある。 一堂に会した板彫十二神将像の彫刻は、薄っぺらいけど飛び出してくるのではないかと思うくらい、これは彫った人の魂が入っているような、そんな作品群だ。ここで見られるけど、いや本当に実物は、すごい迫力だったよ。 そして、今回のメイン展示。仏塔とその前に整然と並べられた木造十二神将像にも完全に圧倒される。 銅造仏頭は破損仏。白鳳期の仏像だが、15世紀に落雷による火災で頭部以外は失われた。その頭部も昭和初期まで忘られた存在だったらしい。頭部だけだが、国宝に指定されている。 仏頭を守るように陳列されているのが、木造十二神将像。会場は暗いからわかりにくいが、結構色彩の跡が残っている。また最近の展示は、円形の柵の中心に置くようにするので、像の後ろ側も見ることができる。これは、実際の興福寺では見られないので、貴重な機会だ。それぞれの干支の動物を頭に載せたユーモラスさもありながら、威風堂々とした威厳を持つ。腰や膝の曲がり具合や腕や顔の表情の一瞬の動きをとらえたその様は、歌舞伎の見栄を切っているようだ。 古の彫り師の魂を感じた展覧会だ。 国宝 興福寺仏頭展 東京藝術大学大学美術館 11月24日(日)まで。 |
|
2013 08,28 20:21 |
|
今回、初展示(国内初?この美術館で初?)とされている絵巻物が複数あり、個人的にはとっても面白かった。江戸時代、今より夜はずっとずっと暗く、もののけを身近に感じることができたと思う。さらに昔の古典に材を取ったものもあったけど、彼らの想像力と創造力には脱帽。空行く鬼の表現も靡く風、不気味な姿、どれも驚くほど秀逸。江戸から明治の浮世絵と絵巻、能面が圧倒的に素晴らしく、後半展示されていた水木しげるの原画は正直言って霞んだ。 おぞましい化け物達は、時にユーモラスであり、それはまるで人間の心の陰陽を表しているかのようだ。 古の人々のイマジネーションに脱帽。 大妖怪展―鬼と妖怪そしてゲゲゲ― 三井記念美術館 |
|