2011 12,09 16:35 |
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森美術館で開催中の展覧会へ足を運ぶ。日本は、素晴らしい現代建築が数々あるが、海外の都市に比べると区画が小さく、街や地域全体の調和を考えると美しいシルエットになっているケースはあまりない。 戦後の復興の中で、個ではなく都市全体を設計をしたメタボリズムの建築を大画面のCG映像、模型、写真、設計図で再現した一大展覧会だ。 1960年代から見たあったかもしれない日本の都市の未来は、今でも斬新で革新的だ。全体として実現したものは無いが、その一部として今も残る建築が残っている。ウルトラセブンにも何度か登場した京都国際会館、銀座の旧電通本社ビル、中銀カプセルタワー、広島の原爆資料館、山梨文化会館など奇抜さと美しさの共存が素晴らしい。 大阪万博の模型も凄かったなあ。IBM館の資料も展示されていた。 大阪万博のパビリオンは、建築的にも奇抜で面白いものが多かった反面、複雑な構造故、取り壊しに多大な時間とコストがかかり、つくば科学博では簡単に壊せるパビリオンということで建築的にはちょっと面白みに欠けたな。 館内は、写真撮影禁止だけど、下記のレポートに詳しく出てる。 森美術館「メタボリズムの未来都市」展、レポート 膨大な展示資料に、結構長い時間いたけど、また来たいなあ。館内にあるラウンジに貴重な建築関連書籍がたくさん置かれており、自由に読むことができる。それまで入れるととても全部見切れない。 ついこの間まであった建築とかも、もっと見ておけば良かった、写真撮っておけば良かったなあとちょっと後悔。僕の住んでいる晴海も今住んでいるマンションが建つ前は、前川国男設計の晴海アパートがあったんだよねえ。戦前の幻の東京万博の建物も一つだけ完成したものがついこの間まで晴海にあったのに、今は取り壊されちゃったんだよねえ。残念、残念。 以前、読んだ下記の本のことを思い出し、また読んでみたくなった。
あったかもしれない日本の都市にイマジネーションを膨らませてみるのが楽しい! メタボリズムの未来都市展 森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階 2012年1月15日まで |
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2011 11,17 18:59 |
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夏の「空海」展に続き、秋は「法然と親鸞」だ。東寺の仏像群を持ち込み巨大な曼荼羅の幻想的な空間を作り出した「空海」に比べると今回は、かなり地味な印象だったが、「法然/親鸞」のその人間像に迫った展示は、なかなかに素晴らしいものだった。特に二人の人生やその後の弟子の布教活動を再現した絵巻は、とても保存状態が良く、まさに昨日書いたような色鮮やかさだった。ほとんど公開されていないんだろうね。
生い立ちから死までの、その波瀾万丈な人生、考え方とその後の広まりが順を追って丁寧に展示されていた。派手さはなかったけど、その人物像に迫るとても良い展覧会だと思った。 個人的に「おおっ」と思ったのは、浄土宗とインド仏教をつなげる図。その美しく現代的なビジュアルに、これって布教のための当時の広告だったのではと思ってしまうほど、センスがいいものだったなあ。かなり色あせていたけど、当時これを見たら、本当に美しかったろうな。 文字は、全部読めないけど、ところどころ判別できる。筆跡を追っていると、どんな気持ちでこれを書いていたんだろうと古の人々と心で交信できるような不思議な感覚になる。 12月4日まで、東京国立博物館・平成館にて。 |
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2011 10,20 17:27 |
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この展示会は、タイトル通り東海道五十三次を描いている。江戸時代と違い、車やトラックも走る風景だが、それでも懐かしいような、見たことも無いような日本の姿が描かれていた。 点描画のようなタッチは、素朴なモノクロの世界を不思議と印象深くする。「目の前の景色より、絵が素敵になるはずはない」とは山下の言葉だが、絵には絵で非常に魅力的な力がある。 どの絵もずっと観ていたかったなあ。山下清がこんなにすばらしい画家だったなんて、今まで気付かなかった。 特別展以外にもいくつか山下の絵が展示されていて、ヨーロッパ旅行の際に描かれたものは一転色鮮やかなタッチで目に焼き付くようなオレンジや赤が印象的だった。こちらも驚くほどビビットで力強く、圧倒された。油彩だと思っていたら水彩画らしく、またびっくり。 興味深かったのは、山下の直筆の日記帳が展示されていたこと。テレビドラマのようなあの口調で書かれていたのと、鋭い眼差しからの世の中の描写がこれまたびっくりだった。日記は、句読点が一切なく、まるで樋口一葉や古典の文章みたいだった。山下曰く「話をしている時にカギかっことか丸とか言わん無いんだな」と説明書きがしてあった。 俄然、山下清の絵に興味が出て来た。もっと早く気付いていれば良かったなあ。 草津市・草津宿街道交流館にて。 |
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2011 09,28 20:49 |
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昔は、本館と言ってと思うんだけど、今は、特に日本の科学の展示館になっている。以前は、この正面玄関から入場し、いきなりアロサウルスの骨格がデーンと迎えてくれたが、現在は、地下が入り口になっている。建物自体は、重要文化財になっているが、外観も内装もその意匠の美しさには圧倒される。 かつてのエントランス。今は、閉ざされている。ここから入館できたら、博物館の体験はより素晴らしいものになると思うのだが。 天井のドーム、吊り下げられている照明もこれまた美しい。 ステンドグラスもたまらない。 吹き抜けのホール。この下中央に、昔は、アロサウルスの骨格が展示されていた。 階段部の意匠もため息が出る美しさだ。 目玉展示の一つ、フタバスズキリュウの化石。 地球館に負けじと色鮮やかな展示品。 椿の花。いろんな形があるのね。 手前の白い秋田犬は、渋谷駅前で銅像になっている忠犬ハチ公の剥製。その後の右上は、映画『南極物語』でも有名なタロー、ジローのジロの剥製。複製なのかなあ?以前見た時は、もっと貧弱な印象だったけど。 鶏もすごい種類。 弥生人の女性。 屋外展示の鯨。 |
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2011 09,27 21:24 |
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建て直されてどれくらい経つのかなあ。地下3階から地上3階まで奇麗になって見やすくなったけど、子供の頃あったわくわく感や怪しい雰囲気は薄らいでいるなあ。とにかく展示が資格的に奇麗にはなったが。 蝶をはじめ、昆虫、貝など様々な標本が奇麗に並べられている。 展示は、とっても奇麗だけど、あまりの量にじっくり見て回るのは至難の業。 天井にも展示物が。 こちらは常設展示の恐竜。 山里を再現したこの空間展示は、様々な蛙、蝉、秋の虫の音色を楽しむことができる。誰かがそのボタンを押すと森中に響き渡る。なかなか素晴らしい展示だった。 自然だけでなく、工学的な展示も。 ラバウル島沖に沈んでいたものを引き揚げた本物の零戦。 国産初のテレビは、なんと丸型画面! 初期コンピューターの展示 真空管っ! |
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2011 09,27 20:45 |
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恐竜博に行って来た。多分小学生の時以来だなあ、恐竜の化石展を観に来たの。好きなんだけどね、いつも夏休み期間の開催で、子供でいっぱいだからね、避けてたの。もう夏休みも終わって、平日なら空いていると思って出かけた。確かに混雑ってほどではなかったけど、意外と子供がいて驚いた。修学旅行や遠足の学生もいたりね。そして、女子も多いねえ。歴史好き女子は、歴女でしょ。恐竜好きは、恐女?竜女? 子供の頃観たアロサウルスやティラノサウルスは、ゴジラのように垂直歩行風に立ってたけど、最近の研究では、頭から尻尾まで平行のランニング・スタイルが多いよねえ。こうしないとバランスが取れず、巨体で歩行は無理なんだと。 また、初期のティラノサウルスには羽毛もあったらしいよ。爬虫類より鳥類に近いのかね? 羽毛を持つ始祖鳥や恐竜は、その羽のメラニン色素から当時の色が分かってきているらしいよ。 最新の研究結果にあわせ、発掘した化石を復元しているそうで、これは、獲物を狙うティラノサウルスなんだって。すごい牙だよねえ。こんなものがかつて地球上にいたなんて、やっぱり想像できないなあ。 そして、ティラノサウルスに待ち伏せされているのは、このトリケラトプスという設定。頭の上のひらひらのところにティラノサウルスに噛み付かれた痕ではないかとされる傷を持ったトリケラトプスの化石も見つかっているんだって。後続のシアターでは、羽毛の生えたティラノサウルスに立ち向かうトリケラトプスのバトルの映像が上映されていたよ。 初めて見たと言えば、これ。ティラノサウルスの下腹部を覆う骨。こっち側にも骨があったのねえ。 子育てする恐竜の化石も復元されていた。まだ巣にいる恐竜の赤ちゃんの化石。ということは、赤ちゃんのまま化石に・・・。おお、可哀想に。 恐竜博は、10月2日まで。 恐竜博2011 国立科学博物館にて。 |
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2011 08,15 12:51 |
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僕は、電車好きというわけではないのだけど、昔の写真を見るのが大好き。都電が走る昭和30年代、40年代の東京の風景が見たくて出かけた。 当時の看板や切符、観光地図や絵本などそのデザインに思わず見入ってしまった。吉田初三郎の鳥瞰地図もあったなあ。吉田初三郎の地図は、全部欲しいよー。復刻してくれないかなあ。
市電が走る街が好きなんだよねえ。都電で唯一残った荒川線は、車道を走る部分が少ないのでちょっと残念。
今日は、都バスのキャラクターみんくるちゃんと都電荒川線のキャラクターのトアランちゃんが来てたよ。
東京の交通100年博 |
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2011 08,13 20:37 |
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日本橋COREDO室町で開催されている「アートアクアリウム展」に行ってきた。江戸・金魚の涼がテーマということで浴衣で出かけたよ。涼を求めて混んでいるかなあと思いきや、それほどでもなく、ゆっくりと鑑賞できた。 館内は、フラッシュ撮影と動画撮影が禁止。フラッシュを焚かなければ撮影できるんだけど、水槽の照明は目まぐるしく変化して、照明の色によってはもとの金魚の色が全く分からなくなってしまい、タイミングは難しい。 圧巻は、巨大金魚鉢。餌も糞も落ちてないんだけど、まさか食べさせてないのかなあ?底には、死にかけて金魚も数匹。。。 でも、奇麗。照明の色によって全く印象が変わってくる。 赤い照明の時はみな真っ赤なのに、青い照明の時は何匹か赤くて幻想的だった。 館内は和のテイストな内装。かかっている曲は、洋風だったけど。 19時からはカクテルの販売もあって、この雰囲気の中でお酒が飲める。さらに21時以降は、DJなどが入りイベントも開催されるみたい。 屏風風な水槽。金魚がまばらに泳いでるのが不思議。影絵のようなイルミネーションと本物金魚のコラボがすごい。ずっと見ていたくなる。ぜひ、浴衣でお出かけを。 江戸・金魚の涼 アートアクアリウム展 COREDO室町 日本橋三井ホールにて9月12日(月)まで。 |
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2011 08,07 23:08 |
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日曜日だったけど空いていたのでゆっくり見られた。 写真を二枚並べて眼鏡で覗く昔の立体写真も展示されていた。素朴だけど、面白い。 正直、もっともっと写真が見たいと思った。こじんまりとした展示。 孫文と梅屋庄吉 東京国立博物館にて。9月4日まで開催。 |
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2011 08,07 22:19 |
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今回、なんと展示品の98.9%が国宝および重要文化財なんだと。現存する最古の仏教曼荼羅や空海直筆の書などまさに国宝のオンパレード。一つの展覧会でこれほど、国宝、国宝、国宝が並ぶのも珍しいんじゃないかなあ。 書、仏具、仏像、絵画と1000年以上も前のものが観られるのは、本当にわくわくする。 圧巻は、最後の展示室。東寺から運んで来た国宝の仏像8体による仏像曼荼羅。暗い展示室に浮かび上がる仏像群は幻想的。その配置で曼荼羅を表し、また普段は正面からしか観られない仏像を360度見渡せる。神秘的な空間と圧倒的迫力、この展示会は見逃せないぞ。それにしても、こんなに仏像持ってきてしまって、今、京都の東寺に行った人はがっかりじゃないか。 あー、空いている時にもう一回、あの仏像曼荼羅の空間を体験したいなあ。後期に展示替えがあるから、もう一回行こうかな。 前半の目玉は、空海の書と伝わる巻物が弓なりに全巻展示されているやつだなあ。巻物っていつも部分的にしか観られないけど、こんなに長いんだーと感心! |
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