2016 04,30 16:17 |
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銀座の松屋百貨店から会場の紀尾井町まで無料のシャトル・バスが出ているので利用して行ってきた。松屋のルイ・ヴィトンの1階店内でバスの整理券を配っている。小さなシャトルバスなので、早目に行って利用することをおすすめする。シャトルバスは、銀座松屋ルートと最寄りの赤坂見附行きの2系統のみ。銀座の客には、やはり手厚いサービスなのか。 会場は、この展示のためだけに作られた施設。赤坂見附の駅からちょっと離れているのでバスの利用は便利だ。 テーマは、旅。これまでのルイ・ヴィトンの歴史の資料や製品群が空の旅、列車の旅、船の旅、音楽の旅、日本の旅といろんな切り口で展示されている。 船の旅では、大きな帆を張った甲板に鞄や洋服を展示。 砂漠の旅では、簡易ベッドも!シルバーのバッグが目に眩しい。 列車の旅では、車窓に昔の景色の動画流れていた。展示の仕方もなかなか凝っている。 こちらは、映画のロケ現場を再現。 パリの展示にはなかった日本コーナーの展示があり、 白洲次郎が使用していたバッグも並べられていた。 実演コーナーもあった。 このところ海外高級ブランドのこうしたエキシビジョンが多いね。エルメス、ディオール、フェンディも入場無料で大規模なものをやっていたし、有料だけどブルガリもあったね。個人的には、エルメス展が圧巻だったなあ。展示方法も映像などの活用も群を抜いていた。無料かつ国立博物館の常設展も無料になってしまうというかなり太っ腹だった。 ルイ・ヴィトン好きのみならず、旅の携行品の歴史としても面白い展覧会になっている。 銀座からの送り迎え付で入場無料。さすがハイブランドのすることはすごいね。帰りに展覧会のポスターも配っていた。(どうせ捨てちゃうからもらわなかったけど) 出入り口には、カフェやミュージアムショップも。ここ限定の革のカードケース(イニシャル刻印サービス無料)、ルイ・ヴィトンのデザインや店舗ビルの美術書などが販売されていた。 全ての展示が写真撮影可能というのもすごい。SNSを通じてのブランド力拡散の方が効果が高いと分かっているんだね。 この展覧会の専用アプリもあるよ。こちらも無料でダウンロード可能。 「空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン」展 「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton」 6月19日まで、紀尾井町の特設会場:東京都千代田区麹町5丁目「旅するルイ・ヴィトン展にて。 混雑するので予約した方がいいみたい。 ちなみに、土曜の15時過ぎは、待ち行列無しで入れた。 ルイ・ヴィトンの顧客には、優先入場できるファストパスが郵送されているはず。 |
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2016 04,17 22:15 |
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フランス留学中、と言っても絵のためではなく、本来法律を学ぶためだったが、そこで出会った女性をモデルをした「読書」など、西洋の技法や印象派に影響を受けた明るい色使いの作品群は、当時としては斬新だったんだろうなあ。黒田が好きだったというミレーの「羊飼いの少女」がさりげなくオルセー美術館から来ていた。本来ならこの一枚をメインに展覧会をやってもいいくらいだよね。(笑) 帰国後、展示会に出品した「婦人裸体像」は、卑猥だと警察から腰の部分を布で覆われるという仕打ちをうける。いろいろと悩み苦労しながら、日本の画壇のために尽くしたいという彼の気持ちも伝わってくる。 残念ながら戦災で焼失してしまった「昔語り」は、下図とデッサンが残っていて、それだけでも心が鷲掴みにされる大好きな作品だ。僧侶が語る悲恋話を聞く市井の人々を描いたものだが、その表情や仕草からそこに描かれていないそれぞれの物語が伝わってくるようだ。 こちらも戦災で焼失してしまった東京駅の壁画の写真をプロジェクターで投影する形で展示していた。これまでの東博の特別展に比べるともうちょっとお金をかけて東京駅の雰囲気も再現するなどしてくれればもっと良かったのになあと思った。 絶筆「梅林」は、花が咲いている風景なのに、どんよりと暗く重い色彩の中に、まだ絵に対する志半ばの思いも伝わってくるようだった。 「湖畔」だけじゃない巨匠の全貌を知る素晴らしい展覧会だ。 特別展「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」 5月15日(日)まで。 東京国立博物館・平成館 |
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2016 01,30 13:59 |
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六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催されている展覧会「建築家 フランク・ゲーリー展」でも模型が展示されていたパリのフォンダシオン ルイ・ヴィトン。表参道のルイ・ヴィトンでも展示会が開催されており、覗いてきた。こちらは、入館無料。 巨大なモグラのような不思議なデザインは、見ればすぐにフランク・ゲーリーと分かる外観だ。六本木での展示と同様、こちらでも最初の発想から徐々に進化していくその様が見られる。それは、まるで昆虫が脱皮する度に姿を変えていくような成長する建築模型だ。紙を丸めてくしゃくしゃにしたような模型が、最終的には固い建材での建築物になる。外観は自由にできそうだけど、内部もちゃんと建築構造上しっかりしたものにしているんだろうな。 パリの中心市街地からすぐの公園にあるこの施設は、芸術・文化のためのギャラリーや音楽ホールになっている。芸術・文化のために投資する企業は好きだなあ。 スケッチ。このぐちゃぐちゃなものが立体的な建築物になるのだから、すごいよね。 透明で内部が分かるようになっているんだけど、内部も折り紙をくしゃくしゃに丸めて詰めてあったりする。(笑) 頭上の壁面に映像が映写されているので、皆黙って上を向いて眺めている。 パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンの展覧会や音楽プログラムの情報は、サイトで日本語で見られる。 フォンダシオン ルイ・ヴィトン |
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2015 12,16 23:36 |
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斬新なデザイン、びっくりするような建築で有名なフランク・ゲーリー。彼の建築が好きか嫌いか、どちらかというと嫌いな方なのだけど、その発想力と独創的なアイデアにはやはり敬服する。すごいなあと思う。その発想力の秘密に迫るべく、六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催されている展覧会「建築家 フランク・ゲーリー展」を訪れた。
「フランク・ゲーリー/ Frank Gehry パリ - フォンダシオン ルイ・ヴィトン 建築展」 |
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2015 11,13 19:03 |
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特別展「始皇帝と大兵馬俑」を観に東京国立博物館へ。もちろんメインの展示は、兵馬俑なのだけど、それ以外の展示もなかなか興味深い。初めて中国を統一した秦の始皇帝は、それまでバラバラだった貨幣や度量衡を統一。その過程で生まれる副産物が面白い。自分の思い通りにしようと中央から強制するものは当然あれど、美術や工芸や日用品、建築様式などはそれぞれの土地の文化と融合し新しいものになっていく。騎馬民族がベルトのバックルにしていた文様や透かし彫りの鞘に入った短剣など、その芸術性にうっとりだ。 レプリカの展示だったけど、2台の銅馬車も興味深いものだった。一台は騎手が立って乗り、もう一つは座って乗り屋根も籠もあるもので、その違いの比較が面白かった。 メインの兵馬俑は、発掘された8000体のうち数体だけの展示だが、その精巧な作りには驚いてしまう。筋肉や着ている服、靴ひも、靴まで細かく表現されている。驚くことに、靴底まで細工がされている。兵馬俑が手に持っていたものは失われてしまっているが、そこを補って想像してみるのも一興だ。また兵馬俑の配置が絶妙で、戦士を前面にそして将軍の兵馬俑が後方の中心に置かれている。この将軍の兵馬俑が醸し出す雰囲気にどこにいても、どうしてもその将軍が気になって何度も何度も返り観てしまった。凛とした表示に不思議と取り憑かれてしまった。 ちなみに上の写真は、展示室の最後にあるレプリカとの記念撮影コーナー。 特別展「始皇帝と大兵馬俑」 東京国立博物館のページ 特別展「始皇帝と大兵馬俑」 オフィシャルページ 東京国立博物館 2015年10月27日(火) ~2016年2月21日(日) 九州国立博物館 2016年3月15日(火)~6月12日(日) 大阪・国立国際美術館 2016年7月5日(火)~10月2日(日) |
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2015 11,13 18:42 |
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宝石が好きな人なら楽しめるのかな。正直、ほとんどの展示に関心を抱けなかったのだけど、最後の展示コーナーが、エリザベス・テーラーで、映画「クレオパトラ」で実際に着用した衣装、リチャード・バートンとの結婚式に着た衣装や付けた宝飾が、映画ファンとしてはトキメキ度がマックスになってしまった。 あとは、会場になっている表慶館のドーム天井にプロジェクション・マッピングでブルガリの宝石を投影しているのは綺麗だったねえ。 宝石やアクセサリー好きの人はぜひ。あと、デザインなどやっている人にも面白いかな。 アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝 2015年9月8日(火)~11月29日(日) 東京国立博物館 表慶館 |
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2015 09,11 14:02 |
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自然や既存の風景と調和した建築が好き。それでいて圧倒的に個性的なのが、オスカー・ニーマイヤーだ。奇抜ですごい建築というのはあるけど、全く環境に調和してないものも多い。そういうのは好きじゃない。 オスカー・ニーマイヤーの建築は、まるで建築が先にあったのではと錯覚するほど、街に自然に溶け込んでいる。 会場は、東京現代美術館。特撮展とかミッシェル・ゴンドリー展とか、なかなか面白い視点の企画があるよな。 二階の常設展も結構面白かった。 オスカー・ニーマイヤー展は、彼のスケッチや模型がたくさん展示してあり、平日で空いていたせいか、ゆっくり見られて良かった。ニーマイヤーの自宅の模型、素敵だったなあ。実物が見たい、ああ、できれば住んでみたい。(笑) 途中の映像コーナーの1時間の上映も全部観ちゃった。インタビューと、実際に説明しながらスケッチを描いていくさまが興味深かった。音楽家が言葉でなくメロディーでニーマイヤーの作品を表現しているのが面白かったなあ。 ニーマイヤーの建築を訪ねて、ブラジルに行きたくなったよ。 最後の展示は、イビラプエラ公園 の模型。靴を脱いで上がることができる。まさにニーマイヤーが設計した世界に足を踏み入れることができるのだ。ここは、写真撮影が可能。 寝っ転がったり、思いきり視点を下にして、作品を眺めることができる。巨人になったみたい。 ロビーの椅子がポップな色彩。 オスカー・ニーマイヤー展 〜 10月12日まで 東京都現代美術館 |
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2015 05,16 22:09 |
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国立近代美術館の所蔵展MOMATコレクションの特別企画が「大阪万博1970 デザインプロジェクト」だ。CGが誕生する前のデザインが、大好き。気絶しそうなくらい萌え企画だな、こりゃ。
残念ながら展示室内は、写真撮影禁止だ。 大阪万博の記録映画を以前観たことあるけど、パビリオンの外観や内装、館内で流れる映像やイベントでのパフォーマンス、その全てのデザインが秀逸だった。あとは、山田洋次の映画「家族」で大阪万博に行く場面があったなあ。 展示室を撮影した動画がYouTubeにあった。 世界中から観光客が来るので、分かり易いピクトグラムは重要。デザインとは、凝るのではなく、削ぎ落としシンプルにすることが重要なのだと感じた。 一番萌えてしまったのが模型。大阪万博でのパビリオンのデザインは、もうびっくりするほど凝っていて、館内に入らなくとも楽しめちゃう。あまりに凝ったデザインであったため、会期終了後、壊すのが大変だったそうだ。後年のつくば博では、デザインよりも壊し易いパビリオンにしたんだよね。 60年代、70年代から見た未来の世界がとっても夢があって好き。当時のそれぞれのパビリオンがどんな内容だったのか知りたくなった。アメリカ館の月の石は有名だよね。 特にスイス館の美しさにほれぼれ。夜のライトアップの写真も飾ってあったけど、本当に良いデザインだなあ。 本当にCGは、デザインをつまらなくしたよなあ。 この展示も、明日5月17日まで。明日は、国際博物館の日の企画で入場無料。 関連書籍もたくさん出ていたのね。ミュージアムショップでもいくつか売ってた。
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2015 05,16 21:31 |
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東京国立近代美術館の所蔵展。たまにやっている常設展の特別企画で、通常料金で観覧できるが、展示されているのは、美術の教科書に出てくる日本画のオンパレード。藤田嗣治、梅原龍三郎、川合玉堂、安井曽太郎、萬鉄五郎、岸田劉生、上村松園、土田麦僊など、単独で特別展をやったら行列・混雑必至の画家の代表作がこれでもかと並んでいる。 藤田嗣治らしい白の絵もあれば戦争を題材にした大作も展示されていて圧巻。また、落語ファンには、鏑木清方の「三遊亭円朝像」、個人的には、川瀬巴水の一連の富士山作品にもう涙が止まらない。 とにかく、こんなにもすごい作品がゆたっりとした空間に贅沢に展示されているのに常設展というのがびっくり。大混雑の特別展に並ばなくとも、普段足しげく美術館に通っているとゆったりと素晴らしい作品を鑑賞できるのだね。 明日5月17日が最終日だけど、明日は、国際博物館の日で入館無料になる。明日は、混むかな? 所蔵作品展 「MOMAT コレクション」 国立近代美術館 5月17日まで。 |
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2015 05,16 18:35 |
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彼女の作品は、初期はそれほど認められなかったそうだけど、確かにぶっ飛び過ぎていて、なかなか理解されなかったんだろうなあ。初期は、ちょっと地味な色使いだけど、着物の柄の緻密な描写には将来の片鱗があった。 狭く細長い最初の展示室に初期の作品が飾られ、そこを抜け広い展示室に入った途端、爆発する色彩に一気に囲まれ、思わず声をあげそうだった。北海道で観た二作も来ており、嬉しい再会となる。 個人的に圧巻だったのは、「火山(浅間山)」。山は、確かに時間と光の関係で様々に表情を変える。しかし、球子が写し取ったその姿は、あらゆるものが超越されている。まるで山が硝子のように透明になり、蠢くマグマが変化するような、この光景はいったい何? どうすれば、こんな風に見えるのだ? 隣に展示されていた「死火山(妙義山)」は、神話に出てくる世界のよう。この世に確かに存在するのに、まるでどこにも無いような不思議な景色だ。 ムンクのように心象風景を表現しているような空や波、クリムトも卒倒しそうな煌びやかで緻密なデザインにも、脱帽。いつまでも展示室から立ち去りがたかった。ネットや書物で見たことある絵も、実際見るとまるで違う。本物の迫力は、本当にすごい。 今回、スケッチもたくさん展示されていた。これまでの巨匠の作品をかなり模写している。しかし、それが自分の作品にどこにも現れていない。いろんなものを吸収しつつも、作品として表現する際には、完全に自分のオリジナルになっている。 色彩感覚と大胆な構図に本当に圧倒された。 東京近代国立美術館での開催は、5月17日まで。この後、6月12日(金)〜 7月26日(日)は、愛知県美術館に巡回する。 生誕110年 片岡球子展 〜 5月17日(日) 東京国立近代美術館 6月12日(金)〜 7月26日(日) 愛知県美術館 |
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