2015 09,11 14:02 |
|
自然や既存の風景と調和した建築が好き。それでいて圧倒的に個性的なのが、オスカー・ニーマイヤーだ。奇抜ですごい建築というのはあるけど、全く環境に調和してないものも多い。そういうのは好きじゃない。 オスカー・ニーマイヤーの建築は、まるで建築が先にあったのではと錯覚するほど、街に自然に溶け込んでいる。 会場は、東京現代美術館。特撮展とかミッシェル・ゴンドリー展とか、なかなか面白い視点の企画があるよな。 二階の常設展も結構面白かった。 オスカー・ニーマイヤー展は、彼のスケッチや模型がたくさん展示してあり、平日で空いていたせいか、ゆっくり見られて良かった。ニーマイヤーの自宅の模型、素敵だったなあ。実物が見たい、ああ、できれば住んでみたい。(笑) 途中の映像コーナーの1時間の上映も全部観ちゃった。インタビューと、実際に説明しながらスケッチを描いていくさまが興味深かった。音楽家が言葉でなくメロディーでニーマイヤーの作品を表現しているのが面白かったなあ。 ニーマイヤーの建築を訪ねて、ブラジルに行きたくなったよ。 最後の展示は、イビラプエラ公園 の模型。靴を脱いで上がることができる。まさにニーマイヤーが設計した世界に足を踏み入れることができるのだ。ここは、写真撮影が可能。 寝っ転がったり、思いきり視点を下にして、作品を眺めることができる。巨人になったみたい。 ロビーの椅子がポップな色彩。 オスカー・ニーマイヤー展 〜 10月12日まで 東京都現代美術館 |
|
2015 05,16 22:09 |
|||||||
国立近代美術館の所蔵展MOMATコレクションの特別企画が「大阪万博1970 デザインプロジェクト」だ。CGが誕生する前のデザインが、大好き。気絶しそうなくらい萌え企画だな、こりゃ。
残念ながら展示室内は、写真撮影禁止だ。 大阪万博の記録映画を以前観たことあるけど、パビリオンの外観や内装、館内で流れる映像やイベントでのパフォーマンス、その全てのデザインが秀逸だった。あとは、山田洋次の映画「家族」で大阪万博に行く場面があったなあ。 展示室を撮影した動画がYouTubeにあった。 世界中から観光客が来るので、分かり易いピクトグラムは重要。デザインとは、凝るのではなく、削ぎ落としシンプルにすることが重要なのだと感じた。 一番萌えてしまったのが模型。大阪万博でのパビリオンのデザインは、もうびっくりするほど凝っていて、館内に入らなくとも楽しめちゃう。あまりに凝ったデザインであったため、会期終了後、壊すのが大変だったそうだ。後年のつくば博では、デザインよりも壊し易いパビリオンにしたんだよね。 60年代、70年代から見た未来の世界がとっても夢があって好き。当時のそれぞれのパビリオンがどんな内容だったのか知りたくなった。アメリカ館の月の石は有名だよね。 特にスイス館の美しさにほれぼれ。夜のライトアップの写真も飾ってあったけど、本当に良いデザインだなあ。 本当にCGは、デザインをつまらなくしたよなあ。 この展示も、明日5月17日まで。明日は、国際博物館の日の企画で入場無料。 関連書籍もたくさん出ていたのね。ミュージアムショップでもいくつか売ってた。
|
|||||||
2015 05,16 21:31 |
|
東京国立近代美術館の所蔵展。たまにやっている常設展の特別企画で、通常料金で観覧できるが、展示されているのは、美術の教科書に出てくる日本画のオンパレード。藤田嗣治、梅原龍三郎、川合玉堂、安井曽太郎、萬鉄五郎、岸田劉生、上村松園、土田麦僊など、単独で特別展をやったら行列・混雑必至の画家の代表作がこれでもかと並んでいる。 藤田嗣治らしい白の絵もあれば戦争を題材にした大作も展示されていて圧巻。また、落語ファンには、鏑木清方の「三遊亭円朝像」、個人的には、川瀬巴水の一連の富士山作品にもう涙が止まらない。 とにかく、こんなにもすごい作品がゆたっりとした空間に贅沢に展示されているのに常設展というのがびっくり。大混雑の特別展に並ばなくとも、普段足しげく美術館に通っているとゆったりと素晴らしい作品を鑑賞できるのだね。 明日5月17日が最終日だけど、明日は、国際博物館の日で入館無料になる。明日は、混むかな? 所蔵作品展 「MOMAT コレクション」 国立近代美術館 5月17日まで。 |
|
2015 05,16 18:35 |
|
彼女の作品は、初期はそれほど認められなかったそうだけど、確かにぶっ飛び過ぎていて、なかなか理解されなかったんだろうなあ。初期は、ちょっと地味な色使いだけど、着物の柄の緻密な描写には将来の片鱗があった。 狭く細長い最初の展示室に初期の作品が飾られ、そこを抜け広い展示室に入った途端、爆発する色彩に一気に囲まれ、思わず声をあげそうだった。北海道で観た二作も来ており、嬉しい再会となる。 個人的に圧巻だったのは、「火山(浅間山)」。山は、確かに時間と光の関係で様々に表情を変える。しかし、球子が写し取ったその姿は、あらゆるものが超越されている。まるで山が硝子のように透明になり、蠢くマグマが変化するような、この光景はいったい何? どうすれば、こんな風に見えるのだ? 隣に展示されていた「死火山(妙義山)」は、神話に出てくる世界のよう。この世に確かに存在するのに、まるでどこにも無いような不思議な景色だ。 ムンクのように心象風景を表現しているような空や波、クリムトも卒倒しそうな煌びやかで緻密なデザインにも、脱帽。いつまでも展示室から立ち去りがたかった。ネットや書物で見たことある絵も、実際見るとまるで違う。本物の迫力は、本当にすごい。 今回、スケッチもたくさん展示されていた。これまでの巨匠の作品をかなり模写している。しかし、それが自分の作品にどこにも現れていない。いろんなものを吸収しつつも、作品として表現する際には、完全に自分のオリジナルになっている。 色彩感覚と大胆な構図に本当に圧倒された。 東京近代国立美術館での開催は、5月17日まで。この後、6月12日(金)〜 7月26日(日)は、愛知県美術館に巡回する。 生誕110年 片岡球子展 〜 5月17日(日) 東京国立近代美術館 6月12日(金)〜 7月26日(日) 愛知県美術館 |
|
2015 05,01 13:59 |
|
和服でゴールデンウィーク、昼食後は、何故か新宿歴史博物館へ。僕は、地域の郷土博物館って大好きなんだよねえ。旅先でも見つけたら、必ず入る。古い写真や書物の展示があると、面白くてついつい長居してしまう。東京にもなかなか良い施設がたくさんある。けれどもどこも空いている。個人的には、ゆっくり見られてありがたいのだけど、ちょっと心配になっちゃう。市電好きとしては、東京のちんちん電車には萌え〜。 江戸時代の内藤新宿。こういうジオラマ大好き。むしろ、作る作業してみたい。 こういう昔の家屋の再現も面白いよねえ。普段、落語で耳で聞いているものが、あ、これかあってとても新鮮だったり、納得だったりして、本当に面白い。 昭和初期のお茶の間。むしろ、ここに住みたい。 こちらも昭和初期の洋室。調度品のデザインを見ているだけでも楽しい。 他にも、新宿区ゆかりの作家の展示も興味深い。夏目漱石邸の模型や小泉八雲の関連資料など、願わくば手にとってじっくり見たいものばかり。 昔の古い写真もたくさん展示されていて、見入ってしまう。新宿駅西口の変貌は、本当に驚くばかり。 常設展示は、前回来た時と全く変わっていなかったけど、特別展で「新宿に縄文人現る」展をやってた。 最寄駅が地下鉄丸ノ内線の四谷三丁目駅というのが、なかなか用がないけれど、駅上に東京消防庁の消防博物館というのもあり、それと合わせて来るのはどうかな? 新宿区立新宿歴史博物館 東京都新宿区三栄町22番地 |
|
2014 11,20 22:10 |
|
僕は、普段から東京国立博物館の常設展示に来ており、また京都や奈良のお寺や博物館、特別公開などに足しげく通っていたので、展示物のほとんどが過去に観たことあるものばかりだった。特に東京の国立博物館の所蔵品は、普段も時折さりげなく展示されていて、特別展でなければゆったり観られる。まあ、展示品全てが国宝だから、一堂に会して観られるという機会は貴重ではあるけれど、この大混雑では見たというだけで、鑑賞というのにはほど遠いな。 それでも、今回見とれてしまったのは、藤原為家筆の「土佐日記」写本。紀貫之のオリジナルは現存しないため、こちらが「土佐日記」で一番古いものになる。仮名文字をこんなにも美しいと思ったのは初めてだ。まるで文字が生きているかのよう、そして常に一番美しい形で留まっている。されど、次の文字へと流れて行く。為家の手を見ていると、彼と時を超えて通信できているような不思議な感覚に陥った。一ページしか展示されいなかったのが残念だった。全ページ見たかったなあ。 善財童子立像・仏陀波利立像は、当時の色彩が残っている部分もあり、当時の衣装のデザインを知ることができ興味深い。像を横からも見られるので、陽のあたりにくい部分には、くっきりと赤い色が残っていた。 「日本国宝展」平成館 特別展示室 2014年10月15日(水) ~2014年12月7日(日) |
|
2014 11,07 16:39 |
|
街の中心からちょっと離れたところにあるこの美術館、わざわざ訪れたのは、岩橋英遠の「道産子追憶之巻」が展示されているから。Webの写真で部分的に見たことがあったのだが、やはり本物が見たかった。この絵、全長29メートル。高さは無いが、巻物みたいに長いのである。画家の故郷の北海道の景色が描かれているのだが、本当に美しい絵だ。長い絵は、右から夜、早朝、朝、昼、夕方、そしてまた夜と一日が描かれている。その一日の中に四季を投影していて、夜から早朝は冬、朝は春、昼は夏、夕方は秋、そしてまた長い冬の夜に戻る。北海道の大自然の中に動物がたくさん描かれている。特に夏から秋にかけて、トンボの数が徐々に増え、秋の夕暮れの中でおびただしい群れになるその美しさは、筆舌に尽くしがたい。写真と実物の絵では全く違う。動物だけでなく、大自然の美しさと厳しさの中に人間の営みも小さく描かれている。こんなに見応えのある絵は、久しぶりだ。 他に片岡球子の「伊豆風景」も素晴らしかった。これも本物の持つパワーと色彩、大胆な構成に圧倒された。富士山にイルカというのもなんか斬新。四季をいっぺんに一つの絵の中に描いていて、これもまた斬新だった。 久しぶりにすごい絵を観られたなあ。おまけに無料だったのに、平日で館内ガラガラだったし。ゆっくりじっくり鑑賞できた。大満足。 北海道立近代美術館 秋季名品選 11月24日(月)まで |
|
2014 10,09 15:16 |
|
こちらは、江戸東京博物館の常設展の展示室で開催されている企画展。「写真家・師岡宏次の写した50年」も開催中。常設展示の入場料金で観られる。1930年から50年にわたる銀座を写真で振り返る。戦争を挟み、銀座の姿は大きく変貌するが、またその街並にさらなる変化を与えたのが東京オリンピックだ。運河は埋め立てられて、その多くは道路になり、今や数寄屋橋始め名前にだけ橋が残る場所が多数。 |
|
2014 10,09 14:18 |
|
2
この展覧会、最大の見物は、亀倉雄策のデザインの数々だ。今見ても色褪せないどころか、むしろすごいとうならされる。 テレビ東京の「美の巨人たち」で有名なポスターの撮影秘話が放送されたが、その斬新な手法に驚いた。特に有名なのは、ランナーのスタートダッシュの瞬間を捉えたポスター。それまでオリンピックのポスターはイラストだったが、この大会で初めて写真が採用された。また、赤とゴールドのロゴも目を惹くね。 もちろん、今回このポスターも展示されている。新幹線関連の展示もあり、さぞかし大混雑かと思いきや、平日だったせいかガラガラだった。おかげでゆっくり鑑賞できた。 他に競技施設の模型も展示されていた。丹下健三設計の代々木競技場は、やっぱりいいデザインだなあ。2020年のオリンピックで新たに建てられるものは、ちょっと面白みにかけるよねえ。まあ、あまり膨大なコストをかけてももったいないというのは分かるけれど。
50年前のデザインの素晴らしさに圧倒された。 ただし、展示資料の数は、少ないねえ。もっとあるのかと思ったよ。 競技システムを担当した日本IBMの展示もぜひ! |
|
2014 08,28 15:33 |
|
フランクフルトの銀行家、シュテーデルのコレクションをもとに設立された美術館。フランクフルトを代表する美術館で館内も広い。1階が企画展、2階が印象派から近代美術、3階が古典と言った感じ。書籍がメインだがミュージアムショップと、またカフェも併設されている。 意外と空いていてゆったり見られた。絵画のコレクションももちろん豊富だが、個人的に面白かったのは近代に撮影された写真群。戦前のヨーロッパ都市の写真や著名人の肖像写真がとても興味深かった。チャップリンの映画でおなじみのリリアン・ギッシュの肖像写真もあったよ。ちょっと感動しちゃった。 日本人のお目当ては、これだろうね。フェルメールの「地理学者」。さりげなーく展示されている。日本だと絶対写真撮影できないけどねえ。 展示室ごとに壁の色が統一されていて面白かった。壁の色で全く雰囲気が変わるね。 シュテーデル美術館 Städel Museum http://www.staedelmuseum.de/sm/ 入場料:12ユーロ フラッシュを焚かなければ写真撮影可 チケットは、他にもデザインがあったみたい。 対岸の摩天楼がよく見える。 |
|