2005 10,19 21:33 |
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映画は、随分原作に忠実に描かれてましたね。結末がちょっと違いますけど。映画は、ワンカさんの子供の頃のトラウマと父との葛藤が描かれてました。 さて、僕がお借りしたのは、評論社のもので柳瀬尚紀さんの訳でした。この原作は、田村隆一さん訳のものもあるようです。訳者によって雰囲気が変わってしまうので、翻訳小説は、別物と思っています。 児童文学であり、平易な表現で書かれています。映画でウンパ・ルンパが歌う歌は、原作にもあるんですね。工場の中の部屋、ガラスのエレベーターも同じでした。 そうそう、原作では、ウンパッパ・ルンパッパになっていました。駄洒落っぽい表現が多かったですが、原文にもあるのでしょう。こういうのは、翻訳した時点で死んでしまいます。 漫画ばっかり読んでいる子供より、こういう本を読んでいる子供の方が好感持てます。 チョコレート工場の秘密 評論社 ロアルド・ダール/作 クェンティン・ブレイク/絵 柳瀬尚紀/訳 ●小B6判・上製/272ページ●本体1200円●2005年04月刊 ISBN4-566-01411-8 |
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2005 10,08 22:38 |
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落語って、耳だけでなく、目でも聴きます。その表情、その仕草で何倍にも噺が膨らんで楽しくなります。よく、志ん朝師匠は、華がある、高座にでると寄席が明るくなると言われていましたが、この写真を見るだけでも納得できますね。 この本の発売にあわせて、毎日新聞本社ビル内のギャラリーで、写真展が開かれました。明日、行こうと思っていたら、今日まででした。ショック、がっかり。 なんでも、写真を等身大まで引き伸ばして展示していたそうなので、行きたかったです。 CDもいいですが、志ん朝師匠のDVDでないかなあ?あの明るく温かく素敵な表情が恋しいです。 志ん朝の高座 横井 洋司、京須 偕充 筑摩書房 ISBN: 4480873503 |
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2005 08,14 23:35 |
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僕の年齢よりずっと若くして死んでいった彼らの手記を読むと、今の若者より遥かにものごとを考え、きちんと世界情勢を見ており、そして何よりも自分のことをよく知っていたと思う。 いつも心の片隅にあって忘れられないフレーズがある。それは、「きけわだつみのこえ」第二集にあった長門良知さんの次の言葉である。 「国に殉ずるということ、戦死するということ、それは何も犠牲といわれるべきものでなくて、ある人間のある時代における生き方、必死の力をこめた生き方そのものである」 学生の頃も、このフレーズでページをめくる手が止まり、暫く物思いに耽り、目頭が熱くなった。 今の自分は、こんなにも物事を考えているだろうか。この時代に生きているということは、いったいどういうことなのだろう。 |
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2005 04,27 10:57 |
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もうすっかり忘れていた作家に赤枕十庵さんのBlogで再会した。僕は、この人、不世出のSF作家だと思う。中学生の頃に、「マイナス・ゼロ」を読み、時間のパラドックスを上手く使った素晴らしいストーリーと奇想天外などんでん返しにハッとしたものだ。それよりもなによりも戦前と戦後間もない頃の日本の風情が美し過ぎる。部屋の本棚の置くに眠っているはずのこの本を、今夜、探してみよう。
戦前と戦後が驚愕するストーリーで交差するSF文学の金字塔。まだ、読んでいない少年少女がいたら、ぜひ薦めたい。いろんな作品を読み込んだ大人にどれほどアピールできるか分からないが、それでも、読めば、引き込まれることは間違いないだろう。魅力的な登場人物、驚愕のどんでん返し。そして何よりも、この本のストーリーは、幸せで楽しい。読んで興奮し、読み終えてハッピーになれる。
ある日、全てが左右反対の世界へ入りこんでしまった男の奇妙な物語。でも、素敵なラブ・ロマンスでもある。左右反対の銀座の描写に驚いてしまう。銀座を知っていると二倍楽しい。自分の知っている街が全て左右反対。著者は、よっぽど銀座通だったのだろう。ラストも秀逸で、心温まる。
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2005 03,24 23:44 |
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この本が連れていってくれるのは、近くて遠い国の日本の痕跡、そこに生きる人の数奇な運命の数々だ。知らなかった多くのこと、知っているつもりだったのに未知のもの、同じものなのに国が違えば見方が異なるものなど単純なのに複雑、上手く言葉では表現できない人々の気持ちが交差する。
旅は、サハリンから始まる。ここに出てくるほとんどの外国で、日本語を話す人が出てくる。以前、テレビのニュースで、最近日本の若い女性が韓国を訪れ、タクシーに乗ったところ、運転手の老人が日本語を流暢に話すので、「おじさん、なんで日本語喋るのお?」と言われ、その老人は絶句したと放送されていた。悪気のない無知のせいだが、やはり戦後の日本の教育は、なんであったんだろうと思う。 とかく、日本人は、過去の悪い出来事を水に流してしまう。当然、相手もそのつもりでいると、まあお互い様と勝ってに思ってしまう。そんな人は、この本を読んで知るべきことが多いだろう。 なかには、日本占領時代を古き良き時代のように回想する人々もいる。特に台湾の森川巡査の話には、驚いた。 当然、それが全てでなく、どの国にも反日と親日がある。いずれにせよ、これからは、愛される国になりたいものだ。果てして、今の日本はどうだろうか。 日本の平和の訴求は、「ノーモア・ヒロシマ」であり、「ノーモア・ナガサキ」である。原爆を落とされて、日本は、すっかり先の戦争の被害者みたいな態度だ。自分たちが何をしてきたか、それを今更糾弾しろということではないが、自分たちの民族が他の民族に何をしてきたか、何も知らない人が多いのではないだろうか。 戦後60年。今も過去を引きずって生きている人々がこの本の中にいる。 この本を読むことをお薦めする。あなたの知らない隣国が、ここにある。
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2005 02,24 23:16 |
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2005 02,13 14:28 |
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2005 02,11 14:40 |
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2005 01,24 22:57 |
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