2011 07,29 22:31 |
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アポロ計画とか、スペースシャトルの事故とか、その裏でトランスフォーマーがかかわっていたのよん的な脚本なんだけど、なんともお粗末。もうちょっとアイデアなかったんだろうか。 フランシス・マクドーマンド、パトリック・デンプシー、ジョン・タトゥーロにジョ・マルコヴィッチと脇役がやたらと豪華。だから、もしかしたらって期待しちゃった。でもやっぱり退屈だったねえ。 「ハングオーバー」のケン・チョンが同じような役で出ていたなあ。この人、こういうクレージーキャラやらせたら今一番面白いね。 とにかく退屈。栗1つ。 ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン10にて。 |
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2011 07,24 23:33 |
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長いシリーズがついに完結。主要キャストをほぼ同じ俳優が演じた点は、すごいね。一応、「あら、そうだったのお」的な謎が明かされ、最終作に相応しいクライマックスも用意されている。 ただ、個人的には、最初の二作が一番好きだなあ。人間界で起きるドタバタや魔法学校へ行くまでの道中が面白かったなあ。特に二作目のロンドンの街を行く二階建てバスのカーチェイスは印象深かったな。またほのぼのとしたファンタジーで良かったよ。 空飛ぶ吸血鬼が出てくるあたりから、おどろおどろしくなってホラー映画顔負けの怖さが前面に出て来たよなあ。今作もほとんど夜と暗いシーンばかり。おまけに3D眼鏡をかけているから輪をかけて画面が暗い。3Dって意味あるのかなあ?2Dの方が画面が明るいし、色が奇麗で良いと思うのだが。 名前を言ってはいけないお方との壮絶な戦いということなんだけど、これって8作も引っ張るほど内容が無かったように思えるな。 主役3人もすっかりメジャーになったけど、この映画の魅力は、脇を固める演技派の名優たち。ジョン・ハート、ゲイリー・オールドマン、レイフ・ファインズ、エマ・トンプソンなどそうそうたる面々だ。 そして何と言っても大好きなマギー・スミス。今回久しぶりに活躍してくれるので嬉しくなっちゃった。もうこれだけでこの映画は観る価値ありかな。 ラストは、ちょっと拍子抜け。正直予想通りの展開。栗3つ。 丸の内ピカデリー1にて。最初の2作をまた観たいな。 |
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2011 07,09 22:27 |
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これまで理知的で真面目な紳士のような役が多かったジェームズ・フランコのぶっとんだ演技は圧巻。野心的で自尊心の固まり、恐れを知らない主人公を見事に演じている。この人、演技派だったんだねえ。見直した。 そして例のシーン。もう、これは思わず目を背けてしまう。下手なホラー映画のグロテスクな場面を超越した痛々しさだ。一緒に観に来た連れは、隣でスクリーンを直視できずもだえ苦しんでいた。今にも叫びだしそうで、そっちを見ている方が面白かった。(笑) 鮮烈な映像表現に酔いしれながら、衝撃の場面へまっしぐら。もうアドレナリンが出っぱなし。映画を観たというよりは、アトラクションで実体験したようなものすごい疲労感だ。 有名な話でドキュメンタリーもあるから、知っている人も多いとは思うし、多分知らなくてもそういう結末に向かうんだろうって思うんだけど、まあ、その決断までの葛藤というか過程がすごいよねえ。それだけで映画を見せちゃうという脚本と演出に乾杯。 栗4つ。TOHOシネマズ シャンテ1にて。 |
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2011 06,10 23:15 |
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超一級のサスペンスでありがら、愛があり、裏切りがあり、友情があり、そして人生があるなあ。 戦争で荒廃した夜のウィーンの街角に伸びる影、モノクロの印象的な陰影が強烈に眼に焼き付けられる。何度観てもハリー・ライムの登場シーンと観覧車の場面は鳥肌もの。なんという美しさ、そしてなんという恐ろしさだ。 そして全編を通して流れるアーントン・カラスのツィターの音楽が時に軽快に、時に切なく心に響く。 男は友情と正義を天秤にかけ、女は愛情と正義を天秤にかける。それぞれの背景がきちんと説明されている訳ではないのに、それぞれにドラマがありその過去のしがらみと葛藤しているのが表情でよく分かるなあ。 素晴らしい脚本、演出、映像、演技、音楽、なにからなにまで完璧。栗5つ。 TOHOシネマズみゆき座にて。 有名なラストのロング・ショットもたまらない。結末を知っているのに、どうしてこんなに心が釘付けになるんだろう。
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2011 06,10 22:53 |
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夫の浮気の疑惑を確かめるため、若い娼婦に夫を誘惑させるというものだけど、とにかく展開がありきたり。どんでん返しとなるだろうと仕込まれた展開も拍子抜け。『キッズ・オールライト』も同じ映画館で公開されているジュリアン・ムーアは、はっきり言ってミス・キャスト。まあ実際は、時期がずれているんだろうけど。ジュリアン・ムーアは、腕と肩の肌が汚い。あと、顔がシガーニー・ウィーバーだなあ。 若い子で中年を誘惑というので、三島由紀夫の『禁色』をイメージしたが、ある意味『禁色』だったわけで・・・。 なによりも、クライマックスと結末がなんともハリウッド映画チックで、これ本当にエゴヤンの作品なの?と目を疑うほど。 これは、完全にチラシと予告編に騙されたなあ。栗2つ。 TOHOシネマズシャンテ2にて。 |
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2011 06,10 22:38 |
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2011 06,05 15:02 |
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今回は、SFというかラブ・ロマンスな感じ。え、そんなオチ?とちょっと拍子抜けしちゃう。 ただ、ニューヨークの街並は、「あ、ここ行ったことがある」って感じでちょっとした観光気分に。 往年の映画ファンには、テレンス・スタンプが出てくるのが涙もの。 SF映画を期待していくとちょっと残念かも。 栗3つ。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン3にて。 あ、今月の紙兎ロペは、傑作。 |
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2011 06,03 23:35 |
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レズビアンの夫婦だからというのは実は話の本質ではなく、登場人物それぞれが日常鬱積していた負の思いを持っていてそれが、父親の登場で爆発するというものだ。聡明だけどいつまで母親から子供扱いされる娘、父親のいない喪失感で不良友だちとつるむ息子、自分のキャリアの負い目に感じている主人公、全てを支配していて家族から慕われていると思っていたもう一人の主人公、事業に成功して好き勝手生きていたがある日家族の暖かさに触れてしまいレズビアンの女性に恋してしまう精子提供者の父親と、それぞれの思いが弾けながら物語は進む。 展開は、予想の範囲内だけど、英語で聞くと台詞は結構面白い。特に面白さでは、アカデミーにノミネートされた亜ネット・ベニングよりジュリアン・ムーアの方が軍配が上がる。彼女の演技は、爆笑だ。 一方、ノミネートされたベニングは、クライマックスの食事の場面のいろんな感情を表現した演技が圧巻。でも、彼女には、「アメリカン・ビューティー」で取って欲しかったよなあ。 テンポもよく最後まで飽きずに観られるけど、センスというか感覚がアメリカ人的だよなあ。アメリカ映画だから当たり前だけど。家庭で演説したり、ちょっと馴染めないところが多いなあ。 栗3つ。ジュリアン・ムーアがとにかく面白い。 TOHOシネマズ シャンテ2にて。 |
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2011 05,29 23:07 |
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とにかく脚本が良くできている。いいストーリー、俳優、台詞、音楽があれば、CGとか特殊効果なんか全く無くてもすごい映画が作れるのだという見本だ。 戦時中に作られ、反ドイツ的感情がむき出しなのはわかるけど、てめえも植民地化しちゃっているモロッコで、フランス国家を店の客で合唱して涙ってのはどうかと思うよ。 まあ、戦時中のそうした思いはさておき、名台詞の宝庫であるこの映画、主題歌「As time goes by」の効果的な使い方もぐっときちゃう。 イングリッド・バーグマン扮する女が、本当はどっちの男を愛しているのか分からないのがいい。ラブ・ロマンスとしても戦時下のサスペンスとしても良くできている。本当に脚本の勝利だ。 唯一、気に入らないのはラスト。あんなかっこいい台詞を吐いたんだから、飛び立った飛行機の後、ハンフリー・ボガード演じるリックがどうなったのか分からない結末の方が、心にジーンときて良い余韻に浸れたのになあ。リックを取り囲む警官隊の姿が飛行機の窓から見えるとかねえ。あのほのぼのラストシーンだけがこの映画のいただけないとこなのよ。 TOHOシネマズみゆき座にて。栗4つ。 ラストは嫌いだけど、すごい映画だ。 |
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2011 05,21 17:11 |
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監督は、ダーレン・アロノフスキー。おお、「レスラー」良かったねえ。そして、「レクイエム・フォー・ドリーム」も・・・。まあ、「レクイエム・フォー・ドリーム」に比べるとおぞましさと悲惨さはかわいいものだが、それでも時折ホラーちっくな展開が体にこたえる。 バレエ団のプリマドンナにかかるプレッシャー、それが並大抵のものでないこと、その座を狙うライバルの存在、神経質で娘をいつまでも子供のように溺愛する母親、自分がトップの座から引きずり落としたかつてのプリマドンナと、取り巻く人間模様と環境は正直言って怖い。 夢と現実の区別が曖昧になり、虚栄、自尊、嫉妬、恐怖など自己に内在する様々感情を表現するナタリーの演技は賞賛に値する。 惜しいのは、カメラワーク。手持ちカメラは、ドキュメンタリー調でなかなか良いが、肝心のバレエのシーンがちょっと陳腐に見える。ただ、ラストの黒鳥の舞は、なかなか良かった。 なんとも寂しく惨めな役で、久しぶりウィノナ・ライダーも・・・。 展開は、予想どうりだけれども、なかなかに魅せる秀作。栗4つ。 かなりえぐいシーンが多々あり、観る側の体には結構こたえる。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン5にて。
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