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2006 03,05 22:36 |
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圧巻なのは、マット・ディロン。この人、こんなにすごい役者だったのね。特に主人公がいない配役の中で、一番光輝いている。 ストーリーは、単に重たいテーマを取り上げているというだけでなく、スピード感あり、スリルあり、サスペンスありで、エンターテイメント性も高い。 こういう映画は、アメリカに住んでいる人が観ると、もっともっと心にぐさりぐさりと突き刺さるのだろう。結局、うわべの平静さの影に常に他の人種に対する偏見と畏敬の念があるということなのか。 この映画は、思いテーマを直接的にぶつけてくるが、その中にも、小さな希望を随所に散りばめている。人間の負の本質とそれと拮抗する小さな希望がLAの殺伐とした雰囲気の中に描かれていて、なんとも言えない味わいを醸し出している。 どいつもこいつも非人間的であると同時にあまりに人間的。それが人間なんだろう。 今年は、見応えある映画が本当に多い。明日のアカデミー賞の発表が楽しみだ。 栗4つ。 チネッチッタ川崎 スクリーン4にて。 |
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2006 03,04 23:40 |
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この映画は、ほとんどが密室劇だ。時折、窓からさす陽の光がかえって外の世界を強烈に訴える。 ゾ フィー役のユリア・イェンチとゲシュタポ役のアレクサンダー・ヘルトが演技の火花を散らす取調べの応酬が前半のクライマックス。後半は、裁判所のシーンが 胸を打つ。この映画は、密室での台詞の応酬が全てだ。白バラの行動と同様に、言葉の持つ力をこれでもかと見せつける。言葉を感じ、映像だけど言葉で訴える そんな映画だ。 映画は、ゾフィーの逮捕から処刑までの五日間を描いているが、その前のいきさつももうちょっとあれば、完璧だったのにと思った。 それにしてもこんな風に死に向いあうことが、僕にできるだろうか。またしても、今の自分は、なんて志が無いんだろうと、自己嫌悪に陥った。 言葉の力を感じさせる、そんな映画だ。必見!栗4つ。 シャンテシネ2にて。 |
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2006 03,03 18:34 |
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秀逸は、片言日本語の現地ガイドのチュー・リンと短い出演シーンながら高倉健を圧倒するほどの印象を残す子役のヤン・ジェンボーだ。この子役と高倉健との一夜がこの映画のハイライトでとても感動的だ。 日本と中国のそれぞれの父子の葛藤を描いていて素晴らしいが、昔のイーモウの作品に比べると深みが無いのが残念だ。 高 倉健は、久しぶりに良い演技を見せる。僕は、小学生の頃から高倉健の映画を観ているが、かつての憧れの大スターも随分年老いてしまったなあと実感。それで も、テレビと映画と同じ役者ばかりの日本において、真の映画スターは、やっぱり高倉健だ。でも、彼も75歳。20歳下のファンとしても55歳と考えると、 そろそろ観客動員につなげるのは中々難しいのかもしれない。 この映画のもう一つの主役は、中国の美しい風景だ。心を奪われるその圧倒的な景観と行ったことがないのに何故か感じる懐かしさだ。 子役と高倉のからみだけでも観る価値がある。昔のイーモウ作品と比べてしまうと厳しいものがあるが、今年、しみじみとした静かな感動を与えてくれる1本であることは、間違いない。 ヴァージン東宝シネマ スクリーン3にて。 栗3つ半。 |
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2006 02,26 19:10 |
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これって映画館専用のバージョンだと思うんだけど、どこの映画館でもやっているのかな?なかなか良いアイデアだ。本当に、綺麗な星空が映画館の天井に広がったよ。 また、観たいな。 いくちんさんから、情報いただきました。東京は、今週の金曜まで、土曜から横浜のようです。 映画館が突如星空に!シネアドプラネタリウム第二弾 ネスカフェ ゴールドブレンドpresents 2/18ー3/17 http://www.megastar-net.com/news/news060219.html 2/18(土)~3/3(金) 丸の内ピカデリー ピカデリー1(上映作品:フライトプラン) 3/4(土)~3/17(金) ワーナー・マイカル・シネマズみなとみらい スクリーン8(上映作品:ナルニア国物語) |
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2006 02,25 19:13 |
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ストーリーもお子様向けで、大人の鑑賞に耐えうるものではない。では、お子様に勧めるかというと、原作を読んで、自分なりの世界を創ったほうが、よっぽど素晴らしい情操教育になるだろう。 そ れでも前半は、なかなか良い出来。結局、対決かよっとお決まりの展開になる後半は、目も当てられない恥ずかしさ。「ロード・オブ・ザ・リング」ってくだら ないなあと思っていたけど、「ナルニア国」を観ると、やっぱりあちらはお金がかかっていたんだなあと実感。戦闘シーンもセットも、ナルニアは、ちゃっち い。 それにしても、何でこの子供たちじゃなきゃいけなかったのが、皆目分からん。結局活躍するのは、子供たちじゃなくてライオンだし。 カピバラだと思っていたのは、実は、ビーバーだった。 栗2つ。お暇な人は、どうぞ。 丸の内ピカデリー1にて。 |
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2006 02,15 20:29 |
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映画は、1972年のミュンヘン・オリンピックのテロ事件に発し、まあいきなり そのものから始まるのがスピルバーグらしいが、その後の復讐にドラマの焦点を置いている。いつものことだが、登場人物の内面の葛藤などは、全く演出できて いないが、淡々としていてかえってドキュメンタリーのようで良い感じにはなっている。 観るべきは、前半の演出で、当時の実際のニュース映像をからめた編集は、お見事。緊張感もあり、なかなかである。ただ、後半は、息切れして、編集も演出も粗くなり、普通の映画の展開になってしまうのが残念だ。 それでも、復讐が復讐を繰り返すこの悪循環を悲しく見つめるこの映画は、観る価値がある。いや、観るべし、観るべし、絶対に観るべし。 栗4つ。 スピルバーグの映画が面白いと思ったのは、「レイダース」以来だね。久しぶりに見応えがある。長い上映時間もあっと言う間。 丸の内プラゼールにて。 |
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2006 02,11 20:38 |
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とにもかくにも、モンゴルの大自然が、テアトルタイムズスクエアの大スクリーンで観られるのは、それだけで感動ものだ。 映画の話は、たわいもなく、途中挿入される老婆が話す”前世”にまつわる伝説も、ありきたりといえば、ありきたりなのだが、都会人が忘れてしまった、というか経験したことがない、自然との共生が美しく描かれている。 これは、ドキュメンタリーだろうか? なんとも演技を超越したその姿は、本当に自然で人間らしい。犬も、ハゲワシもまるで人の言葉が分かるかのように、演じている、いや、本当の姿を見せているのかもしれない。 ストーリーは、本当にたわいない。しかし、地球上にこんな生活がまだある、それは、一見不便だけど、豊かさと潤いに溢れている。 僕は、ただの憧憬を抱くだけで、結局何も出来ずに都会の生活をこれからも続けていくのだろうかと、しみじみと思ってはみたのが・・・。 栗4つ。(モンゴルの大自然と少女と犬の美しさに一つおまけね) 新宿テアトルタイムズスクエアにて。 とにもかくにも、心は洗われる。 |
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2006 01,29 21:29 |
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エルサルバドルの内戦を描いた実話。内紛前線の村 の少年たちは、12歳になると政府軍に兵士として利用するため強制的に連れて行かれる。それを免れて逃げたとしても、ゲリラとなってやはり戦うしかない運 命の少年たち・・・。目を覆う殺戮と残虐な戦争の毎日、それでも明るくユーモアたっぷりに描かれる子供たちの姿に胸が痛くなる。 紙ホタルのシーンや夜空のシーンなど、詩情あふれる美しい映像、迫り来る残酷の運命の中、それでも明るく生きようとする子供たちの姿、映画としてのストーリー展開、流れる音楽、その全てが素晴らしく、圧倒的なパワーを持っている。 その圧倒的パワーに、役者の素晴らしい演技力が加わり、至上の高みへとこの映画は昇華する。特に、主人公の少年の演技力は、圧巻で、言葉もない。瞳が語るその演技には、驚嘆するしかない。 過酷で残酷で切なくて悲しい中に、明るいユーモアと日常を描いた傑作。5つ栗。満点。圧倒的なパワーにいくら書き綴っても言葉は、無力だ。ぜひ、観てほしい。 シネスイッチ銀座にて。 |
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2006 01,29 20:30 |
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オープニングのドイツでのシーンは、なかなか良い。良質のサスペンスのようなホラーのような期待感が高まる。 されど、お話は、予定調和で、いかにもいかにもな結末へ向かっていくのである。悪い奴がすぐに分かるので、せっかくのプロットがいかしきれていないねえ。脇役にもうちょっと癖のある人を置けたら良かったのにねえ。 同じようなシチュエーションの「エアフォース・ワン」に比べると肩透かしだわん。ジョディー・フォスターを観るだけの映画だね。しかし、娘を守るパワフルお母さんというのは、前作「パニック・ルーム」しかり、最近のジョディーの幅を狭くしているなあ。 栗2つ。朝9時40分の回なのに、すごく混んでいた。 丸の内ピカデリー1にて。 |
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2006 01,28 21:31 |
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物 語は、1994年のルワンダの内紛による大虐殺を描いた実話が題材となっている。群集をこうもむごい虐殺に駆り立てるのは、いったいなんなのだろうと考え させられる。部族が違うといえ、ついこの間まで隣人だった人をナタで切り刻む。殺す側にも、殺される側にもその理由がある者もいるかもしれないが、大多数 の一般に人々は、何の関係もない。 主人公は、殺す側のフツ族だが、主人公の妻は、殺される側のツチ族。主人公のホテルの支配人は、当然、 自分の家族と隣人を守ろうと努力するが、裏切り者のレッテルを貼られ、また頼りにしている国連や軍人、会社の上層部もルワンダへの介入ができないという窮 地に追い込まれる。 主役のドン・チードルの演技は、素晴らしく、緊迫感の中での勇気と愛と正義がよく表現されている。主要なキャストも出演シーンは、短いもののなかなか豪華だ。 これが、たった10年前の、そして僕らの住んでいる同じ地球の出来事なのかと思うとものすごく切なくなる。人類は、まだまだ歴史から何も学んでいないのだ。 難を言えば、映画の出来としては、作りが粗い。もっと衝撃的で緊迫感があれば、さらにラストで感動できただろう。 栗4つ。これは、観なくてはいけない映画。 川崎チネチッタ スクリーン7にて。 映画が終わってもクレジットの時に流れる歌が素晴らしいので、聴いてほしい。 さ て、それにしても考えねばならないことは、このフツ族、ツチ族を分類し利用したのは、ベルギーだった。アフリカが西洋諸国に分割され支配されたことに起因 する。パレスチナ問題には、イギリスのバルフォア宣言とフセイン・マクマホン条約の二重外交があり、今回のルワンダもベルギーによる同じような政策に起因 している。なんとも不幸なのは、その犠牲になったアフリカの人たちだ・・・。 |
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