2016 02,13 20:11 |
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あのぉ、この映画SFじゃなくて、コメディだよね。バカバカしくて苦笑しまくりだよ。コメディならコメディって、最初に言ってよ。
いきなり嵐がやってきて主人公が取り残されるので、火星探査中クルーの登場人物のそれぞれが全く描かれてなく、一人取り残されても別にいいじゃんと何の感慨もない。だからね、火星に主人公を取り残したクルーに後悔の念なんて、微塵も感じられないよ。 挿入される70年代の名曲も、ダジャレの場面に使用されているから、もう苦笑するしかない。まあ、火星に一人取り残されても明るくあっけらかんだよん、というのを描くコメディだから、これでいいんだよね? どうせ畑の穀物だめになるんでしょ、そのロケット墜落するんでしょ、置き去りにしたクルーが迎えに行くんでしょと、とにかく物語は観客が思った通りの方向になんの意表をつくこともなく進んでいく。 おまけに登場人物が全員善人。緊迫感無し、緊張感無し、さしたるスリルもサスペンスも無く、みんな良い子でがんばろうね、うん僕たちがんばった、だからハッピーエンドさ。あー、つまんなかった。 あー、違う映画を観れば良かった。時間の無駄だった。 栗1つ。TOHOシネマズ新宿 スクリーン9にて。 |
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2015 12,06 19:13 |
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ちょっと期待しすぎてしまった感あり。ダニエル・クレイグは、かっこよく申し分ないなのだけど、そもそもジェームズ・ボンドの過去を探る旅という脚本が面白くないなあ。
クリストフ・ヴァルツは、他の映画ではとっても魅力的なのに、悪役としていまいち存在感なかったなあ。前作のハビエル・バルデムは強烈だったからねえ。 クレイグになってから、クレイグが素晴らしすぎて、ボンド・ガールが全く印象に残らない。今回も魅力的なボンドガールじゃないよなあ。モニカ・ベルッチもあのシーンだけで必要だった? CGを使わず挑戦したアクションシーンは、良いとは思うけど、どれも過去に見たことあるような演出で、ハラハラドキドキとか、手に汗握るとかないよねえ。 クライマックスもあっさりしていて、消化不良気味。 そもそもスペクターがボンドを恨む理由が拍子抜け。 ボンドの過去の探索より、スパイ映画が観たかったなあ。 栗3つ。 TOHOシネマズ新宿 スクリーン9にて。 |
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2015 08,15 19:50 |
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残念な出来だったなあ。「ジュラシック・パーク」の焼き直しで、それでいて何か新しいものがあるかというと特に何もない。
「ジュラシック・パーク」は、ジェフ・ゴールドブラム演じるちょっと嫌な奴を配し、創設者の子供でちょっとわがままだけどそれでいて可愛げがある子役、ティラノサウルスの最初の登場場面での緊迫感、クライマックスのラプトルとのバトルなど脚本も演出もなかなかの出来だったのになあ。 今回は、まったく緊張感も緊迫感もなし。ハラハラドキドキも手に汗握ることもなかった。ストーリーもお粗末で、予期せぬ展開も意表つく驚きも何もない。最後のバトルは、怪獣CGオンパレードで結末も「ジュラシック・パーク」と同じじゃん。ラプトルを手なづけちゃってる設定が緊張感をなくしているよねえ。 悪役がつのだ☆ひろにしか見えなくて、その度、「メリー・ジェーン」が頭の中にこだましたよ。 もうちょっと、脚本がどうにかならんかったのかねえ。世界中で大ヒットしているというから期待しすぎたよ。「ジュラシック・パーク」の壮大な焼き直し。 栗2つ。 TOHOシネマ日本橋 スクリーン7にて。 |
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2015 08,08 23:23 |
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結局、同じプロット、ストーリーを何度も何度も焼き直している感じで、そろそろ飽きてきたな。
毎回おなじみの難攻不落の施設へ侵入、仲間なのか敵なのか、最後に裏切りがあるのかなどなど、それをどうみせるかなんだろうけど、今回は、脚本の時点で失敗している。登場人物が全くいかされていなく、トム・クルーズとレベッカ・ファーガソン以外ほとんど見せ場が無い。悪役も魅力的じゃないし、エピソードが分断されすぎて、かなりダレる。 カー・チェイスもがんばっているなあとは思うものの、ボーン・シリーズと比べると見劣りするなあ。まあ、007同様、世界のいろんな国を見られるのは楽しいけどね。 もうちょっとしっかりとしたストーリーとどんでん返し、他のキャラクターの見せ場もあったら良かったのになあ。前作では、チームメンバーがそれぞれ活躍していたのにね。ちょっと残念。 栗3つ。まあ普通。 TOHOシネマズ新宿 スクリーン9にて。 今日は、絵葉書のプレゼントがあったよ。 封切り最初の週末なので、一般席が結構いっぱいで、電動リクライニング・シートの席にしてみた。最後列の左右の2席は個室感があっていい感じ。でも一人で来て、隣が知らない人だったらとっても気まずい。 |
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2015 06,07 18:03 |
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これまでも結構作られてきた人工知能ロボットもののSF。今回、変わったところでは、そのロボットの開発者ともども誘拐され、ギャングにロボットが教育されてしまうというところ。人工知能は、生まれたばかりは人間の赤ちゃん同様で、教育する親とその環境に応じて、ロボットも成長していく。
映画で描かれているのは、チャッピーの人工知能云々よりも、人間のエゴ。登場人物の誰もが自分のことしか考えていない。 そんな人間社会を人工知能ロボットがどう見つめ、また自己をどう捉えていくか、そのあたりの切なさがもう少し深みがあればより良かったと思うのだが、後半はお決まりのアクション映画になってしまったのがちょっと残念。 ロボットは壊れたら頭のチップだけを新しい体に移植すれば永遠の命と思いきや、意識はデータ化できないのでコピーできないというのが面白かったのに、結局ラストはそれがデータ化できる展開なのが、つまらなかったなあ。 まあでも最初から最後まで飽きずに観られる娯楽作になっている。 栗3つ。 丸の内ピカデリー2にて。 主役の人工知能開発者、どこかで見たことあるなあと思っていたら、「スラムドッグ・ミリオネア」の主役の人だった。共演にシガーニー・ウィーバー、ヒュー・ジャックマンと豪華だけど、どちらも物足りない役所。 目立っているのは、映画の地元南アフリカのラップ・グループのダイ・アントワードのニンジャとヨーランディー。同じ役名での出演で、あっぱれの存在感。 その二人のプロモーション・ビデオ。ある意味、映画より衝撃的。 |
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2015 05,24 18:06 |
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サンダンス映画祭で評判だったというから期待してしまったけど、かなり拍子抜け。
全体的なテイストが70年代っぽくて好きだけど、突っ込みどころ満載の脚本には、だれてくる。 旅する3人の若者のロードムービーからホラーになり、ミステリーっぽい展開もあり、SF映画になり、クライマックスはど迫力アクションという展開。予想できぬ度肝抜くラストと宣伝文句にあったけど、意外と予定調和で普通。この程度の作品なら過去にいくらでもあったね。 観客が知りたいであろう謎は、そのまま分からぬまま。どうでもいい謎ばかり解いて、ラストは綺麗なSFXでもどう?って感じで終了。 コンタクトしてきたハッカーのアジトが分かるまでの映像表現は、なかなかだっただけにもったいないなあ。いくらでも展開を面白くできそうなのになあ。後半、普通の娯楽作になってしまったのが残念すぎる。 栗3つ。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン1にて |
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2015 04,12 20:32 |
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今回は事前の予備知識を極力入れず、ほとんど何も知らない状態で鑑賞。いやはや、面白かったねえ。長回しのシーンを上手に編集して、全編がまるでワンカットのような世界観には脱帽。それぞれの場面も近年まれに見るワンカット場面の長さで、観ていてゾクゾクした。役者やスタッフの緊張感とプロ根性がひしひしと伝わってきた。
ストーリーもとっても僕好み。自分のことしか考えないエゴの固まりの登場人物の台詞の応酬がたまらない。鏡を利用した対話の場面もなんとも秀逸。 とてつもないプレッシャーとストレスに抑圧される主人公の心象風景をサウンドで表現したドラム・ビートの音楽も圧倒的な迫力で、観ているこちらも内臓を口から吐き出しそうだった。 ハリウッド映画界を皮肉る以上に、かつてのスターの再起にかけるある種の怨念と、それに翻弄されてしまった家族との再生を強烈な映像、音楽、演出、演技で突きつけられた。ラストの登場人物それぞれのある種の解放が清々しかったなあ。 栗4つ。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7にて。 巨大スクリーンでこの映画が観られて、本当に良かった。 |
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2015 02,19 22:49 |
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六本木のTOHOシネマズで「チャイナタウン」を観てきた。過去の名作を25本選び上映する午前十時の映画祭で、大好きなこの作品に映画館の大きなスクリーンで再会することができた。ロマン・ポランスキー監督、ジャック・ニコルソン主演、共演にフェイ・ダナウェイ、ジョン・ヒューストン。個人的には、「死刑執行人もまた死す」、「第三の男」、「ロング・グッドバイ」などと並んでサスペンス映画の最高峰の一つだなあ。 主人公は元刑事の探偵、最初は単なる浮気調査のはずだが、二転三転していく物語、次々に現れる一癖も二癖もある登場人物、だんだんと巨大な悪の組織に巻き込まれながら、その中に悲しい人生を背負った人間模様のドラマが展開される。1930年代のロサンジェルスを再現した雰囲気、ジェリー・ゴールドスミスの美しいながらも不安を掻き立てる音楽、憎いまでのカメラショットやカメラワークと映像と音楽に酔いしれながら映画に引き込まれていく。。 しかし、この映画撮影中は、出演者が罵り合いながら制作されたとの逸話がある。プロデューサーが連れてきたフェイ・ダナウェイが気に入らない監督、脚本のラストシーンが気に入らない監督、映画が出来上がってから変更された音楽などなど、とても協力しあって作られた映画ではなかったそうだが、完成品を観た時に関わった関係者があまりの素晴らしい出来にポランスキーに何も言えなくなってしまったそうだ。ドキュメンタリー映画にもなった名プロデューサー、ロバート・エヴァンスの手腕もあったのだろう。また、ロバート・タウンのこの脚本は、ハリウッド映画史上最高とまで讃えられているそうだ。ただ、ポランスキーが書き換えさせたあの結末だからこそ、この映画が胸に突き刺さり、見終わった後、何とも言えない余韻に浸ることができるのだと思う。出演者の演技も素晴らしく、特に名監督しても名声を欲しいままにしているジョン・ヒューストンの怪演は、本当に怖い。栗5つ。
そして、今年も4月から第三回新午前十時の映画祭が開催されます。今回も「風と共に去りぬ」、「カサブランカ」や「ローマの休日」などの王道とともに、映画ファンを唸らされる渋いセレクションが含まれている。特に最近ではスクリーンでの上映がほとんどない「アフリカの女王」や「素晴らしき哉、人生!」の2本に心躍らせるなあ。これは絶対にスクリーンで観たい。また、昨年亡くなられた高倉健主演作品も「駅STATION」と「新幹線大爆破」の2本、そして今だからこそ観たい黒澤明監督のヒューマンドラマの傑作「赤ひげ」も嬉しいセレクションだ。 上映作品リストは、こちら。4月に新しくオープンするTOHOシネマズ新宿も上映劇場に含まれている。 |
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2014 12,21 17:25 |
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久しぶりに面白い映画を観た。やはり、クリストファー・ノーランよりデビッド・フィンチャーの方が上手だ。退屈で途中で帰りたいモードになった「インターステラー」の口直しだ。
虚栄と自尊のために作られた虚像をあたかも実存のように嘘で塗り固めて生きている登場人物、それをさらに確たるものにするために、周りのお馬鹿な群衆をマスコミやネットで操る。ミステリーの形を借りて、人間の本性とエゴをあぶり出す快作だ。 架空の完璧な人間を作ろうする登場人物、それに煽動される大衆を、観客は「馬鹿なやつ」と嘲りながら見ているうちに、実は、フィンチャーに「それって、君たちそのものだよね」と揶揄されているようだった。 最初のバーのシーンに全てがあると言っていい。主人公と妹が人生ゲームをやっている。誰もが自ら作った人格を実存させるための嘘や振る舞いで生きている。バーカウンターの滑るグラス、人間をデコレーションしているかのような粉砂糖が舞い上がる場面で唇を拭ってのキスシーンなど、今作もフィンチャーらしい憎い映像表現が面白い。 いろんな伏線が敷かれていて、あちこちに観客をニンマリとさせる仕掛けがある。今年のお正月映画は、これだな。 TOHOシネマズ日本橋 スクリーン5にて。栗4つ。 |
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2014 11,30 20:54 |
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TOHOシネマズ六本木ヒルズで高倉健さん主演の「幸福の黄色いハンカチ」を観てきた。これは、追悼上映ではなく、新・午前10時の映画祭の企画としてもともと予定されていたもの。予定と違ったのは、急遽劇場で一番大きなスクリーンで上映されたことだ。(先週は、同様に「ブラックレイン」も大きなスクリーンで上映された。) 予告が終わり、スクリーンが横いっぱいに広がり、タイトルが映し出されただけでジーンときた。この映画はこれまでに何度も何度も観ている。映画館で、名画座で、テレビで、ビデオで・・・。でも、ここまで大きなスクリーンで観たのは初めてで、あらためて映画館で観る映画の醍醐味を感じた。 映画は、武田鉄矢と桃井かおりが笑いを振りまきながら、だんだんと高倉健演じる主人公の過去が明らかになっていく。もてないダメ男の武田と内気でか弱い桃井が高倉と旅をしている間にともに強く大人になっていく脚本も秀逸だ。なんと言っても観ていてこんなに楽しい映画はないし、そして展開も結末も分かっているのに、何度観ても最後には涙が頬を伝う。この映画を映画館で観ることは、昔の友人に再会するようなもので、あの頃に戻って夢中になって観てしまう。向こうは変わらず同じなのに、不思議と感じる思いは観る度に違っている。こちら側が年を重ねているためだろう。 終映後、場内から拍手がおこった。あちこちですすり泣く声も聞こえた。本当にいい映画。日本映画の誇りの一つだと思う。 いつでも会う度に優しく迎えてくれ、最後に流れる涙で心を洗ってくれるこの映画に、これからも映画館で会えることを願ってやまない。 今回の新・午前10時の映画際での「幸福の黄色いハンカチ」の上映は、12月12日まで。TOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン7での上映は、今のところ12月3日までだ。4日以降はちょっと小さめのスクリーンに移る。なお、さらに小さいスクリーンにはなるが、午前10時以外にも上映があるようだ。 また東京池袋の新文芸坐では、来年2015年の1月18日より高倉健の追悼特集が予定されている。名画座の中ではこれまた破格の大きさのスクリーンを持つ新文芸坐、こちらでも健さんに会うことができるのだ。 やはり、映画館で観ると感動も一入だ。
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