2007 07,26 23:51 |
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「ナッシュビル」を越す48人の登場人物が織りなす群像劇。とある結婚式のたった一日だけを追ったドラマだ。出てくる人は、とにかく馬鹿を通り越して狂気じみているが、だんだんそれが普通の人に見えてくるのが不思議。とにかくストーリーは、とんでもない。 綿 密に練られた脚本と素晴らしい俳優陣でいつの間にやら物語に引き込まれる。キャロル・バーネット、ジェラルディン・チャップリン、ミア・フォローととにか く圧倒的な演技。そしてあの、あのリリアン・ギッシュも出ている。リリアンは、最初だけ台詞だけあるけど、映画の冒頭で死んでしまい、劇中ずっと死人の演 技だ。 ロータリーに披露宴に集う車がやってきて一斉に人が降りだすシーンや鏡やガラス、窓を使った映像レトリックには、やられたあとニヤニヤさせられる。 幸福と残酷、不安と安堵、人生ってその繰り返しなのだと、たった一日の出来事に凝縮されている。 渋谷・ユーロスペース2にて。栗4つ。 |
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2007 07,14 21:02 |
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まあ斬新な映像などは最初だけで、すぐ慣れてしまうのだけど、場面の移り変わりのオーバーラップとガラスを効果的に使ったシーンは、眩いばかりの美しさだ。 ストーリーは、往年のハードボイルドなフィルム・ノワールという感じで、斬新さは無いものの、きちんとしたストーリーがあって最後まで飽きない。 英語版の吹き替えは、新007のダニエル・クレイグ。 ハードボイルドなちょっと悲しい結末なのに、それほど胸にしみないのは、やっぱりアニメだからか。 栗3つ。 ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン12にて。
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2007 07,14 19:03 |
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もう展開が冗長でダラダラ、早く決着を付けてほしい。ハリー・ポッターてあと何作あるんだっけ? マギー・スミスもエマ・トンプソンも全然活躍する場がないの。こんな素晴らしい大女優にこの扱いとは・・・。まあ、子供たちが主役だからしょうがないか。 今回は、登場人物がよくいかしきれてなく、まとまりがなくバラバラ。ハリーの恋人役の女の子もとってつけたような描き方で、このキャラ必要なのかなあ? おどろおどろシーンはあるものの怖いようで怖くなく、面白可笑しいシーンもなく、なんだかよく分からないエピソードだなあ。 ハリー・ポッターは、人間界にいる時が面白いね。人間界だと魔法は不思議だが、舞台が魔法学校に移ると何でもありなので、何が起きても、あ、そうねって感じ・・・・ 栗一つ。やっぱり、最初の二作だけだな、面白かったの。 ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン10にて。 |
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2007 07,08 23:10 |
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ペネロペ・クルスは、英語だとつまらんバカ女みたいだけど、母国語だと素晴らしいねえ。今までで一番素晴らしいと思った。 ア ルモドバルの作品は、好きなのと生理的にダメなのがあるのだけれど、「トーク・トゥー・ハー」には参った。映画的な出来からいうと「トーク・トゥー・ ハー」ほどではないのだけれど、今回は、なんとも心地よい余韻が残る作品だ。ラスト・シーンが美しく、そして素晴らしい。 栗4つ。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ アート・スクリーンにて。 女は、母親になるとこれほどまでに強くなるのか。
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2007 07,01 23:19 |
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シリーズものは、回を重ねる毎につまらなくなるが、この作品も例にもれず、今作はつまらない。
CG技術は、かなり発達して、キャラクターが気持ち悪いくらい立体感がある。されど、肝心なお話は、もうワクワクするものでなく、冒険もしょうもなく、パロディもアクション・シーンも一作目のような毒っ気も迫力もなく、全てにおいて拍子抜け。 笑えるシーンも一つも無かった。 新キャラクターの怪しい魔法使いの爺さんの声が、エリック・アイドルだった。懐かしい。僕は、モンティ・パイソンで一番好きだったのがエリック・アイドルだったのだ。 ストーリーにもっと頭を使ってほしい。説教臭い台詞にも辟易。栗2つ。 ユナイテッドシネマ豊洲、スクリーン9にて。 |
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2007 07,01 23:18 |
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2007 07,01 23:17 |
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しかし、このところの予告編の作り方って卑怯だなあ。サスペンス映画と思って観に来た人は、多分がっかりだろうね。 エイドリアン・ブロディは素晴らしいが、ベン・アフレックには悲しきハリウッドスターの哀愁が出ず、せっかくの映画を薄っぺらいものにしてしまっている。 ほとんど実名なので、この映画を作ったことには敬意を表すが、制作はハリウッドではなく、ニューヨークの映画会社ミラマックスだ。 もっと一人一人の人生の裏表がえぐるように描けていれば見応えがあったのになあ。惜しい。 栗3つ。 日比谷シャンテシネ3にて。 |
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2007 06,24 23:32 |
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世界中から観光客が訪れるこの場所は、同時に全米から訪れる自殺者の世界最大の死に場所らしい。 この映画は、橋から飛び込んで自殺する人をカメラにおさめ、その遺族に行ったインタビューの記録である。 あ る者は橋から下を暫く物憂げに見つめ欄干を越え飛び込む、ある者は欄干を越えてから暫し考えてそして飛び込む、ある者は観光客の写真を撮ってあげその後飛 び込む、ある者は携帯電話で普通に会話して電話を切った後おもむろに飛び込む。飛び込んだ者は、ほとんど死ぬ。海面までの距離66メートル、人間一人が飛 び込んだだけなのにものすごい音がする。水面に当たった時骨が砕け、急流に体はのまれ、冬であれば水の冷たさに心臓発作で死んでしまうらしい。 あまりの自殺者の多さに、警察官は日常茶飯事で対応も冷静そのもの。何人かは助けられ、何人かは命をとりとめる。 遺族へのインタビュー、共通しているのは、自殺者は死ぬまでに多くの信号を出していること。気づいてもどうすることもできず、説得しても自殺しようとする人は聞く耳を持たない、なのに、飛び込む間際、止められた人は「本当は死にたくなかった」と言う。 人は、どうして自殺をするのか。それも、何故、わざわざゴールデンゲート・ブリッジまで来て死ぬのか。人間の心理は、まだまだ分からないことだらけだ。 朱色の橋から飛び込む姿を見て、東京のJR中央線の自殺の多いことを思い出した。東京でもわざわざ中央線に飛び込む人が一時期多発したようなあ。何か意味があるのだろうか。 いろいろ考えさせられるけど、ドキュメンタリーとしてはそれほど深みがないな。 ただ、最後に飛び込むジーンだけは、何かあらゆるものを超越した神聖な儀式のようにも思えた。 栗3つ。 109シネマズ川崎にて。 |
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2007 06,20 23:43 |
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主人公は、「居残り佐平次 」。「品川心中」や「三枚起請」、借金の形に遊郭に預けられている少女の名前がおひさ、父親は左官屋じゃないけど長兵衛、その父親が大工でこれまた借金の形に道具箱を取られているなど、とにかく落語、落語、落語がふんだんに取り入れられている。 笑えるし、フランキー堺はとっても素晴らしいのだけど、「居残り佐平次 」、「品川心中」、「三枚起請」を本当に落語で聴いた時に自分の頭の中に広がる想像の世界と較べると、映画の世界は陳腐でものたりなかった。 栗3つ。 京橋・近代フィルムセンターにて。
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2007 06,17 23:46 |
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前半、主人公が定まらず、いろんな人にフォーカスがあたり進行していく様は、ドキュメンタリーのようで、事件が実際にあったというのが伝わってくる。白昼湖畔での殺害シーン、夜の住宅街の歩道の情景は、なかなかの映像で、その時代の雰囲気がよく表現されている。 中盤が、なかだるみ。 後半、ジェイク・ギレンホールが主人公になってから、一気に犯人像へ迫るのだが、正直、最初の殺人から何年もたっており、一人緊張感を保ち続けるイラストレーターへの感情移入は、なかなかしにくい。 それでも、60年代、70年代のサスペンス映画の雰囲気をたっぷりと持ったこの作品は、ある種の郷愁を持って楽しめる。若い人には、面白くないかも・・・。 オープニング、サンフランシスコの遠景が出るが、一瞬、え、ここがサンフランシスコと目を疑う。そ、そうか、1969年には、トランス・ピラミッドもエンバカデロ・センターも無かったのだね。 緊張感はあるものの、中だるみの感がありで、栗3つ。謎解きの楽しみは、無いのであしからず。 ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン4にて。 |
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