2008 07,08 22:32 |
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もうこの映画は、何十回観ただろう。数え切れない。それなのに、今でも惹きこまれる。スクリーンでリバイバルされる度に観ている。やはりこの映画は、映画館で観るべき映画だ。大きなスクリーンと音響に圧倒される。
場内が暗くなり、何も映し出されないスクリーンにクラシック音楽。何が始まるか分かっているのに、もうワクワク。MGMのロゴが出ただけで、ゾクゾク。そして「ツァラトゥストゥラはかく語りき」の音楽と共にタイトルロゴと惑星群。もうオープニングから鳥肌もの・・・。 猿が人間へと歩み始める太古の世界から、一気に未来の宇宙へ。フィルムの色が多少褪せてしまっているのと、70mmを35mmにしているのでスクリーン両脇の黒がちょっと気になったが、それでももう夢中だ。 これぞ、映画でしか表現できない映画の中の映画。映画ならではの表現にあふれた素晴らしい作品だ。これほどまでに映像と音楽が完全なるハーモニーをなし、凡人の常識を遥かに超えるイマジネーションの洪水に酔いしれっぱなしだ。 コンピューターが人間に牙をむくシーンは、今も体に戦慄が走る。 モノリスとは神の概念なのか・・・。この映画は、観客それぞれの想像力を掻き立てる。 完全なる映画、完全なる映像表現、完全なる選曲、投げかける解けぬ問。だからこそ、いつまでもこの作品は魅力的で、僕にとりついている。 極力説明を排したこの映画は、いろんな意見や感想があると思う。謎めいているからこそ、いつまでも人を惹きつけている。はて難解かというと決してそうではない。映画として、観ていて面白いのだ。 栗5つ。映画の可能性と一つの到達点。キューブリックに感謝! 東劇にて。
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2008 07,06 21:39 |
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難攻不落のシロアリの要塞(蟻塚)に迫る危機また危機。蟻どうしだけど、種族の違いで起こる壮絶なバトル・・・。なんか蟻版「ロード・オブ・ザ・リング」だねえ。これドキュメンタリーなんだろうか?出来すぎ。ちゃんとストーリーがある。それも起承転結が・・・。
で も、なかなか興味深い。同じ蟻、同じ女王蟻から生まれるのに、兵隊蟻、働き蟻、女王蟻候補、王様蟻候補と形や大きさが全く違う。驚いたのは、女王蟻。他の 蟻と比べるとものすごく巨大。映画「エイリアン」のマザー・エイリアンのモデルはこれじゃないかと思うくらい、蟻とは思えぬ薄紫色に蠢く卵巣には驚いた。 大自然のバトルは、CGより迫力あるね。 栗3つ。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン3にて。 |
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2008 07,05 22:40 |
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米国で大コケしてしまった。確か今年の話題作の一本だったのにね。同じ週に公開された「アイアンマン」がインディー・ジョーンズばりの超大ヒットとなってしまい、影が薄くなったのかな。制作費は、がんばって日本で回収せなばならないのだろうね。
アクションというよりは、ドタバタ喜劇。日本人っぽい俳優と本当の日本人俳優が浮いている。 映像は、万華鏡ように煌びやかだけど美しくはない。ディズニーランドのアトラクションのよう。レース・シーンは、しょせんCG、「ボーン・アイデンティー」シリーズの度肝抜くカーチェイス・シーンと比べると迫力のかけらもない。 アニメを実写化したはずなのに、結局アニメじゃん。CGの中に人間の顔だけ埋まっている感じ。 弟とチンパンジーは、いい味。 最も後悔しているのは、出演してしまったスーザン・サランドンでは・・・。 子供の頃テレビで「マッハGoGoGo」を見ていたので、テーマ曲はすごく懐かしかった。 CGレースだから実際に何も見ていないのに、レース観戦で熱狂している俳優陣のことを思うと、とても興醒め。 栗2つ。 ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン3にて。 |
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2008 06,29 22:50 |
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シャーリーズ・セロンが綺麗でした。
シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 こんな綺麗な刑事がいたら事件なんてもうどうでもいいっす。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 え、これ、ポール・ハギスの新作だったの?中途半端なできやねえ。結局中東に対する視点ってアメリカ的ステレオタイプな表現だよなあ。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 息子のマイクが殺された理由がよく分かりません。軍が隠したりするけど、昔の映画に比べると緊迫感も見えざる力の恐怖が足りませんなあ。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 シャーリーズ・セロンが綺麗でした。 観終わって記憶に残るのは、セロンの美しさだけでした。 中だるみだし、事実に着想は得たそれほど驚く展開も結末もなく普通の出来。 栗3つ。有楽座にて。 |
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2008 06,29 22:49 |
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面白かった。映画は、プロットと気の利いた台詞とストーリー。金なんかかけなくても脚本が素晴らしければ、こんなにすごい映画が作れるのだ。
どこにでも転がっている何気ない話。それでも人物設定がものすごくよく出来ており、それぞれが魅力的。なんでもなーい日常こそがドラマチックなんだと実感。 問題は、その気の利いた台詞。せっかくの面白い台詞が字幕では伝わらない。耳を研ぎ澄まして、流れるようなちょっと早口の楽しい英語の台詞を聞き取ると面白さは倍増する。 時代なのか、妊娠してもあけっらかん、面白おかしく描きながらも、ところどころちょっと切なくて、なんとも良い映画になっている。 栗4つ。字幕が邪魔。 日比谷シャンテシネ2にて。 |
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2008 06,28 22:56 |
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2008 06,21 23:32 |
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面白かった。
クローネンバーグ、昔ほどの破天荒さは無いけれど、逆に新鮮で楽しめた。年を取るとダメになる人が多いなか、やるじゃん、魅せるじゃん。 ウィゴ・モーテンセン、今までの出演映画の中で一番良かった。ナオミ・ワッツも良いキャスティング。 話題のサウナでの全裸の格闘シーンは、なるほどすげえ。 もう少し忍び寄る緊迫感とかあると最高だったんだけどな。 これからどうなるのか、観客の想像力にゆだねるラストシーン。こういう余韻がたまらなく好き。 栗4つ。 日比谷シャンテシネ1にて。
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2008 06,15 23:50 |
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いくら何でもひどすぎる。これまで、あんた絶対死んでるよ的なものは、あったが、今回は絶対死んでいるはずなのに死んでない。これって、広島や長崎の人が怒るのではないだろうか?あまりに能天気でお馬鹿な脚本には、あきれてしまう。
こ れまでで一番喜劇的で、アクション・シーンも予告編で観た以上のものがない。物語の構成は、既に前3作で使われたものの焼き直しで新しいものは何もない。 ロズウェル事件、ネバダの核実験、赤狩り時代と背景は、興味深いものを入れているが、どれも結局おちゃらけてしまっている。呆然として開いた口が塞がらな い。 まあ、こういうものとして観れば楽しいかもね。「レイダース」は、面白かったけどねえ。 アクション・シーンもパワー不足だし、シャイア・ラブーフはド下手で浮いているし、あいかわらず先住民族の扱いは差別的だし困ったもの。 ケイト・ブランシェットは、面白かったけどね。この人何でもできる、いえ、やるのねえ。 邦題は、絶対「インディ・ジョーンズ 未知との遭遇」にすべき。 老いぼれの同窓会に付き合うのは、そろそろ厳しい・・・。栗2つ。 ユナイテッドシネマ札幌 スクリーン11にて。 |
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2008 06,07 23:25 |
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20年ぶりにこの映画をスクリーンで観た。学生の頃、吉祥寺のバウス・シアターで初めて観た時の衝撃はもう無かったけれど、この映画は今も僕の中で引っかかり続けている。
こ んな村は、自分の記憶には無いのだけれど、何故かまるで自分の生い立ちを見ているような不思議な郷愁がある。保守的な伝統に縛れている村、他所から来てそ こから逃れようとする美しい人妻、怪しいサーカス団、父なし子を産んだ悲しい女、どれも自分の知らない人たちなのに、何故か知っている気がする。 時間と空間の概念を投げ捨て、虚構と現実の境もなく、圧倒的な映像美と短歌と詩と音楽で幻惑させる。かなり前衛的な手法がたくさんとられているが、物語の骨格はきちんとあり、一本の映画として完成されている。 私と20年前の私が出会い、美化し現実としていた過去が実は虚構で、20年の時を経た二人の主人公が母親殺しをたくらむ、そして有名なラストの青森の山村が一転新宿になるシーンは、これまた映画への辛らつなアンチテーゼだ。 八千草薫は美しすぎ、春川ますみは切なく可愛い、主人公の母親役の高山千草も強烈で、俳優陣も前作「書を捨てよ・・・」より層が厚く楽しめる。 誰かの過去であるこの作品、しかしそれは誰もの過去である。本当の自分探しの旅に出たくなる、そんな映画だ。 栗4つ。 早稲田松竹にて。
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2008 06,07 20:27 |
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ところどころ唸らされる映像表現にハッとするが、やはりちょっと古めかしく色あせてしまっていることは否めない。当時はかなり斬新だったと思うのだが、時代を超越するパワーまでは無いかなあ。
舞台を映画化したということとあまりに多い登場人物がきちんとした群像劇になっていなく、かなり唐突で散漫な印象を受ける。舞台ならこれでOKと思うが・・・。 音楽は、圧倒的に素晴らしい。プログレシブなサウンドが脳みそを刺激する。「健さん愛してる」や「1970年8月」がずっと耳に残るなあ。 映画に対するアンチテーゼとも思えるオープニングやエンディングは、なかなかだが、今となってはちょっと古めかしい表現だ。エンドクレジットがなく、全て出演者の顔のクローズアップというのは面白かった。 あえて素人俳優を前面に押し出しのが、今となってはかえって自主制作映画のように思え、また、台詞のとちりや延々続く同じショットは、かなりダレル。 それでも人力飛行機の燃えるシーンやモノクロ、セピア、カラーをふんだんに融合させた眩いばかりの映像には、クラクラした。 栗3つ。早稲田松竹にて。
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