2008 08,01 21:40 |
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2008 07,27 23:47 |
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当時のフィルムと多くの人々のインタビューからなるドキュメンタリー。インタビューされる人が多すぎ、また昔の映像とそのインタビューが延々繰り返され、ドキュメンタリーの作りとしては退屈。
し かし、反共・冷戦の時代を迎えるとは言え、ナチの残党までも庇護して利用する米国に、一番背筋がゾッとした。また、軍事政権下のボリビアにも守られ、戦後 も人生を謳歌するバルビーも驚きだ。家族に対しては優しい父親であり夫であり、一方でビジネスマンとして成功し、またその一方で残虐に牙をむく。悲しいか なそれが何とも人間的である。 最後の裁判の時には、もうただの老人のようであった。彼を弁護する弁護士の論理は、一理あるがどうも胡散臭い。売名行為じゃないのか・・・。 バルビーを擁護するつもりはさらさらないが、群集や国家ぐるみでやったことに対して、誰かを人身御供にして、それでおしまいというのが、戦後処理のような気がしてならない。 もっとスパイとして利用したアメリカの背後にあったものを追求してほしかった。 栗3つ。銀座テアトルシネマにて。 |
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2008 07,27 21:48 |
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有名なウィーン会議の裏で繰り広げられるドタバタなラブコメみたいだけど、こんな映画の創世期から考え付くことはもうやりつくされているんだなあ。最近のラブコメなんかより格段に楽しく、そしてなんともロマンチックで、そしてセンチメンタルだ。 主 役の女優のちょっとサイレント映画のような仰々しいオーバーアクションが玉に瑕だが、皇帝が「また会おう」と馬上に消えていく場面で、「また」なんて無い のだと気づき始める女心の刹那さを表現するラストシーンは、鳥肌もの。その際に流れる「唯一度だけ」の詞とメロディーがあいまって、全編楽しく幸せの絶頂 だった映画が一気にセンチメンタルな終焉を迎える。 なんという余韻、なんという素晴らしさ。ああ、これこそが映画を観る至福の喜びなんだよなあ。 京橋・近代フィルムセンターにて。栗4つ。
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2008 07,26 21:51 |
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子供社会の妬みや憧憬が、ちょっと切なくこころにしみた。たまんなくロマンチック。今の映画が忘れてしまった多くのものが凝縮されている。 栗4つ。シネスイッチ銀座にて。 同時上映のこれまた懐かしい「白い馬」もなかなかだった。馬の演技、疾走する馬の撮影、いったいどうやって撮影したの?とただただ驚くばかり。
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2008 07,25 21:52 |
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あ、なんだっけ、シャマラン君? この人は、「シックスセンス」が奇跡だったのねえ。才能全部「シックスセンス」で使い果たしちゃったのねえ。残念ねえ、ヒッチコックと違って、たった一本しか面白い映画作れなかったのねえ。残念だねえ、シャマラン君。 「ハプニング」、一言で表現すると「つまらん映画」だ。観てしまった観客こそ、一番のハプニング。 栗1つ。ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン10にて。 あ、マーク・ウォルバーグはいい俳優だ。 |
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2008 07,21 21:53 |
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登場人物は、皆明るく楽しいのだが、どこかで孤独と寂しさを感じている。 正体不明で自己のアイデンティティーと友達を探すチェブラーシカ。ミカン箱に紛れ、間違って果物屋に運ばれ、動物園に連れて行かれるが、正体不明だからと入園を断られる。そんなチェブに孤独な動物園のワニが「友達募集」の貼り紙を・・・。 自 己と友達を探す人形アニメ。チェブの可愛らしさは言わずもがなだが、いじわる婆さんもいい味を出している。全編を通して貫かれているのは、友達を探す姿 だ。正体不明だから友達を探す、孤独だから友達を探す、人に意地悪をすることで友達を探す、それぞれの登場人物はユーモラスだが、心の底に孤独と寂寥感が あるのが切ない。 挿入歌の「誕生日の歌」もとても心に染みる。 栗4つ。また観たい。何度でも観たい。 シネマ・イクスピアリ スクリーン2にて。 映画館のロビーにいたチェブラーシカ。
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2008 07,20 15:02 |
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2008 07,13 22:20 |
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死にゆく運命の死刑囚を日々監視する刑務官。いつかは自分たちの手で刑を執行しなければならない囚人と、刑務官はなるべく人間的つながり持たないようにする。されど死刑囚は、この世で最後の人間的なつながりを刑務官にすがろうとする。 新人刑務官は、明るく仕事に前向きだが、ベテラン刑務官になるほど口数が少なく、無感情だ。死刑囚と刑務官との日常がまず興味深い。 小林薫の起用は、他に考えられないほど素晴らしい。小林は、感情はおろか人間性さえも殺してしまった刑務官を最高の演技で見せる。 この映画では、小林演じる主人公が三度人を抱きしめるシーンがある。一つは、まさに死にゆく死刑囚、それから再婚相手の女、そして再婚相手の連れ子。小林薫のこの三様の抱きしめ方が感動的だ。 新聞の評論に、「死刑制度への立場を明確にしていない」とあったが、そんなのこの映画の真髄ではない。人間が死ぬ一方で、とある家族が再生していく、なんとも悲しく拮抗する相容れない主人公の感情に目頭が熱くなる。 ラストシーン、人間性を取り戻す小林薫の笑顔が忘れられない。 栗4つ。 有楽町スバル座にて。 |
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2008 07,08 22:32 |
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場内が暗くなり、何も映し出されないスクリーンにクラシック音楽。何が始まるか分かっているのに、もうワクワク。MGMのロゴが出ただけで、ゾクゾク。そして「ツァラトゥストゥラはかく語りき」の音楽と共にタイトルロゴと惑星群。もうオープニングから鳥肌もの・・・。 猿が人間へと歩み始める太古の世界から、一気に未来の宇宙へ。フィルムの色が多少褪せてしまっているのと、70mmを35mmにしているのでスクリーン両脇の黒がちょっと気になったが、それでももう夢中だ。 これぞ、映画でしか表現できない映画の中の映画。映画ならではの表現にあふれた素晴らしい作品だ。これほどまでに映像と音楽が完全なるハーモニーをなし、凡人の常識を遥かに超えるイマジネーションの洪水に酔いしれっぱなしだ。 コンピューターが人間に牙をむくシーンは、今も体に戦慄が走る。 モノリスとは神の概念なのか・・・。この映画は、観客それぞれの想像力を掻き立てる。 完全なる映画、完全なる映像表現、完全なる選曲、投げかける解けぬ問。だからこそ、いつまでもこの作品は魅力的で、僕にとりついている。 極力説明を排したこの映画は、いろんな意見や感想があると思う。謎めいているからこそ、いつまでも人を惹きつけている。はて難解かというと決してそうではない。映画として、観ていて面白いのだ。 栗5つ。映画の可能性と一つの到達点。キューブリックに感謝! 東劇にて。
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2008 07,06 21:39 |
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難攻不落のシロアリの要塞(蟻塚)に迫る危機また危機。蟻どうしだけど、種族の違いで起こる壮絶なバトル・・・。なんか蟻版「ロード・オブ・ザ・リング」だねえ。これドキュメンタリーなんだろうか?出来すぎ。ちゃんとストーリーがある。それも起承転結が・・・。
で も、なかなか興味深い。同じ蟻、同じ女王蟻から生まれるのに、兵隊蟻、働き蟻、女王蟻候補、王様蟻候補と形や大きさが全く違う。驚いたのは、女王蟻。他の 蟻と比べるとものすごく巨大。映画「エイリアン」のマザー・エイリアンのモデルはこれじゃないかと思うくらい、蟻とは思えぬ薄紫色に蠢く卵巣には驚いた。 大自然のバトルは、CGより迫力あるね。 栗3つ。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン3にて。 |
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