2009 07,25 21:09 |
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前作の長編「野菜畑で大ピンチ」がものすごい大傑作だったので、それと比べてしまうと今回は、上映時間30分、映画のパロディも多く、小粒な作品という感 じ。それでも大活躍するグルミットは、いつもながら楽しく、本当に生きているようだ。毎回スピード感溢れるクライマックスがあるが、今回は、オープニング のパンの配達と謎の女性と出会う坂道のシーンに盛り込まれている。
上映時間があまりに短いので、旧作のテレビ版が3本同時上映。「チーズホリデー」は、月がチーズでできている発想が素敵、「ペンギンに気をつけ ろ」は、美術館の盗難シーンとおもちゃの汽車での大追跡シーンが抱腹絶倒だ。特に、汽車のシーンのユーモアとスピード感溢れる演出は、ハリウッド・アク ション映画も真っ青の超ド迫力だ。ダークなテイストの「危機一髪」は、何十匹もの羊を乗せたバイクとトラックのカーチェイスが手に汗握る。グルミットのサ イドカーが変身するシーンも胸がスカッとする。 とにかく楽しい。これ子供が見ても多いに楽しめると思うのだけど、銀座では21時からのレイトショーだった。 クレイアニメは、制作に時間がかかるけど、また作って欲しいなあ。「野菜畑で大ピンチ」のような素晴らしい傑作がまた観たい。 栗3つ。 銀座テアトルシネマにて。 |
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2009 07,25 21:03 |
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2009 07,20 22:54 |
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こちらも久しぶりにスクリーンで鑑賞。建て直す前の文芸座で観た。それも高校生の時だから、もう20年以上前だよねえ。
この映画は、大好きなのだ。好きなアメリカ映画では、3本の指に入る。この映画1本で、監督のボブ・ラフェルソンは、僕の中ではスーパーだ。 社会の頂点と底辺とその両方のどちらにも自分の居場所を見出せず、周囲の身勝手な人間たちに嫌悪する主人公の気持ちがたまらない。 労働者の主人公が、混雑する高速道路で車の荷台のピアノを演奏するシーンで、実は、彼が上流階級の人間だと知らしめるのが秀逸。カレン・ブラック の無知で下品な馬鹿女の演技は、度肝抜くほど上手く、彼女の演技がこの映画に与えた影響はすごく大きい。主人公、ジャック・ニコルソンと車椅子で言語機能 も麻痺している父親との一方の通行の会話が、一番人間的な交流になっているのが、なんとも切なく痛々しい。 ラストの余韻もたまらない。 こんな映画が、昔はアメリカにあったのだ。 自分の居場所はどこにある、生きることの無意味さから意味を見出そうとする、なんともすごい映画だ。 栗5つ。アメリカ映画の傑作中の傑作。 早稲田松竹にて。
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2009 07,20 22:49 |
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久しぶりにこの映画をスクリーンで観てきたよ。ヒッピーというのは、もうちょっと古めめかしいけど、保守的な人が新たな思想を受け入れない、それに対する痛烈な批判は、現代にも通ずるところがあるね。
大分フィルムは色あせていたけれど、スッテペン・ウルフの「ワイルドで行こう」やザ・バンドの「ザ・ウェイト」などの名曲にのせて、美しいアメリカの自然も満喫できる。 有名なサイケデリック・シーンも、デニス・ホッパーが監督しているとなると、これがハイな気分の感じなのかなあと説得力あったりして・・・。 選曲と映像が抜群。栗4つ。 早稲田松竹にて。
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2009 07,10 23:03 |
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2009 07,05 23:10 |
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作りが70年代のアメリカ映画そのもので懐かしくもあり、また最近の作品と比較してかえって新鮮でもあった。昔は、アメリカ映画もこれくらいのクオリティーの映画は、ごろごろしていたのにとどうしても懐古風にとらえてしまう。
プロレスってテレビでも生でも観たことないんだけど、ああ、これはスポーツというよりショーなんだなあって思った。過酷なショーだ。観客の期待に見合うよう演出しているのだが、その演出に耐え得るだけの体に鍛えているところがスポーツなのだろう。 ドラマは、昔の映画で既に使いふるされたものだが、かつての栄光から見放された年老いたスターの哀愁は、ひしひしと伝わる。往年のスターのサイン会とスーパーでのシーンは、とても切ない。 ドキュメンタリーのように主人公の後姿ばかり追う前半の演出が秀逸。後半、ちょっと展開がだれるが、ラストは、70年代の映画を彷彿させる余韻がたまらない。 栗4つ。TOHOシネマズシャンテシネ1にて。 個人的に、今年前半のベスト・ムービーだ。
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2009 07,04 21:55 |
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ベルンハルト・シュリンクの原作「朗読者」は、随分前に読んだ。当時、世界的ベストセラーになっており、アンソニー・ミンゲラが映画化権を買って話題にもなった。生きていたら彼がメガホンを取っていたのだろう。
映画は、原作を無難にまとめている。先に原作を読んでいると、やはり自分がイメージした人物と役者とのギャップがあるが、それを吹き飛ばすほどケイト・ウィンスレットは素晴らしかった。 彼女が守りたかった尊厳と当事者にしか分からない罪悪感、映画も原作もその核心の部分は明確にはしていなく、その答えは観客(読者)に委ねられている。それ故、腑に落ちない思いと理解を超えた感情の余韻とが拮抗する。 映像でありながら、変に戦時中の場面を挿入せず、原作同様言葉で説明している点、朗読される古典の持つ言葉の美しさが秀逸で、今年もっとも心に染みる映画の一本であろう。 栗4つ。 TOHOシネマズスカラ座にて。
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2009 06,07 23:59 |
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2009 05,30 22:19 |
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2009 05,29 23:26 |
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