2010 01,24 23:55 |
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109シネマズ川崎のスクリーン7がIMAX3D対応劇場になっている。しかし、もともと普通のシネコン施設だったのを強引にIMAXに改装した ので、正直、新宿や品川にあったIMAXシアターと比べると窮屈で、また「え、このスクリーンの大きさでIMAXなの?小せぇ」という感じだ。劇場が窮屈 なので小さく感じたせいかもしれないけど。前の人の頭が足元くらいにあった新宿とは違い、ここは前に座高の高い人が座るとスクリーンの一部が欠ける。新宿 や品川がIMAXでなくなってしまったのが、本当に惜しい。もう少し早く『アバター』が作られていたらねえ。 それでも、スクリーンと客席が近い分、画面に飲み込まれるような迫力はあった。3Dは、飛び出して来るという昔の万博ふうのものではなく、どちら かというとものすごい奥行きがあるという感じ。キャメロン監督は、これを上手に使い、崖に沿って急降下する迫力あるシーンを描き出していた。クライマック スの戦闘シーンは、それこそ度肝抜く大迫力だ。 どうせCGなんだろうけど、惑星パンドラの世界は美しく、空中に浮かぶギアナ高地のような風情もいい。 されど、肝心のストーリーは、拍子抜けするほどお粗末。きっとこうなるだろうと思うとその通りに展開していく。『エイリアン2』のような奇想天外 でハラハラドキドキする凝ったシナリオはここにはない。ナヴィ族も、自然を愛し、呪術的で絵に描いたようなステレオタイプ。お決まりの恋、お決まりの攻 撃、お決まりの復讐、ハッピーエンディング、物語に新しい要素は何一ないよーん。 新しい映像表現を思い切り楽しむためにストーリーは簡潔にしたと、キャメロン監督が語ったなどとネットに書かれていたが、あまりに単純な勧善懲悪は、ちょっと退屈だ。意表つく展開も皆無。あと鼓舞するために演説をするアメリカ映画特有のシーンがどうも僕は、苦手だ。 まあ、どうせ観るならできるだけ大きな3D対応スクリーンで、谷底に落ちる感覚を味わうのがよかろう。 栗3つ。 109シネマズ川崎スクリーン7にて。 |
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2010 01,15 23:59 |
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絵本で終始ほのぼとのしているかいじゅうたちとのやり取りは、今作では人間社会の縮図が投影されていて、妬みや嫉妬が蠢いている。自分勝手な少年 がそこで自己を見つめて成長しちゃうってところが、ありきたりでつまらんのだ。で、もしチャーリー・カウフマンの脚本だったら、もっとものすごい展開が期 待できたのになあ。 されど、特筆すべきものはたくさんある。CGに頼らず、「セサミ・ストリート」で有名なジム・ヘンソンのオフィスが制作したかいじゅうたちは、表情豊かで素晴らしい動きを見せる。 砂丘でのシーンの美しさも幻想的。母親役のキャスリーン・キーナーの演技も素晴らしい。 そしてそして、何より、音楽が素晴らしいのぉぉぉぉぉ。もう、曲も詞もアレンジも秀逸。 ただねえ、生意気で情緒不安定な主人公のくそガキは、車に轢かれて死んじゃえって思ったね。こんなのが自分の子供だったら吐き気がしちゃう。 まあ、内容はありきたりだけど、音楽の素晴らしさに★ひとつおまけの栗4つ。 ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン10にて。
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2009 12,30 18:46 |
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頑固一徹だけど女好きの森繁久彌が最高にかっこいい。こんな親父がいたらなあと心の底から思うよ。
そして今作では、縦横無尽にパワー炸裂しまくりのフランキー堺が画面を持ってきまくり。団令子とのやりとりも可笑しいし、親父と喧嘩して隣の屋根 に上ったり、工事現場のクレーンに吊るされて宙を舞ったり、度肝抜く場面もたっぷり。破天荒で調子がいいけど憎めないキャラクターがもう最高。 そして、もう一人、やっぱりクロレラ研究家の三木のり平がたまらなく可笑しいよー。 また、よく知っている上野の場所がたくさん出てくるけど、切なくなるほど懐かしいよ。変わりすぎた湯島の風情は、もはや想像するのも難しかったけどね。 ラストの歌のシーンもハッピーで最高に楽しかったなあ。 森繁久彌もフランキー堺も、もうこの世にいないなんて、悲しすぎるよー。 もっと早く生まれてきたかったよ。 彼らがいない日本映画界は、寂しすぎる。 とんかつが無くなったら死んでしまいたい、と森繁が歌う主題歌も最高! 栗4つ。 銀座シネパトス2にて。 |
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2009 12,30 18:39 |
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2009 12,27 20:09 |
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こちらは、一転、フランキー堺がアメリカの大学出のインテリを演じており、抑えたクールな演技がたまらない。フランキー、かっこええって思っちゃったよ。
そして、やっぱり森繁久彌が圧巻。この人の演技と存在感は、もはや別格で、一挙手一投足、寝ている演技でさえ鳥肌立つほど見事。演技というより、 もうあまりに自然すぎて、惚れ惚れしちゃう。こんなすごい役者がいた時代に映画を観ることができた人たちは幸せだよなあ。森繁久彌、もうすごすぎて感服。 なんという役者だろう。天才すぎる。 今回は、厳格な役どころの伴淳三郎も渋かったなあ。ただ、フランキー、伴淳がクールな役だったので、喜劇的な要素が森繁だけになってしまったので、全体的に笑いが薄い感じかな。 でも、とっても観ていて幸せな気分になれる映画だったよ。 栗3つ。 銀座シネパトス2にて。 |
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2009 12,27 19:06 |
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森繁久彌の追悼記念の特集上映を観てきてた。12月上旬からやっていたんだねえ。既に何本もスクリーンで観たかったものを見逃しちゃった。残念。
今作は、アニメも混じった異色作。おもちゃ箱をひっくり返したような世界が広がる。宇宙のシーンやフランキー堺が乗る車などレトロなテイストがたまらない。 大好きなフランキー堺も魅力的なるも、森繁久彌の演技力と存在感はもう圧巻。こんな素晴らしい役者が日本にいたことを誇りに思う。 今回は、森繁とフランキーのからみが少ないが、森繁・伴淳三郎・三木のり平が料理の素材で絵を描くシーンと森繁が川原で子供たちにパンを買ってあげるシーンがもう秀逸。 ドタバタに徹していて、なんとも微笑ましく、楽しい。 九重佑三子版『コメットさん』に出ていた子役の蔵忠芳が、懐かしい。もう涙が出ちゃう。 栗3つ。 銀座シネパトス2にて。 |
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2009 12,05 23:00 |
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さて、本編。人間のCGは、まるでパペットみたいだった。オープングの台詞を抑えた演出は、微笑ましくもあり、ちょっと切なくもあり、この辺がピクサー、上手だよなあ。 じいさんが風船で旅立つきっかけとなるところが妙に厳しい現実をつきつけられるが、飛び立ってからの展開は、冒険心に溢れ楽しい。犬の首輪に付いている機械が、「それゆけスマート」ばりの馬鹿馬鹿しさで最高! 単純明快な冒険活劇だけど、夢とロマンの物語に、童心に返って素直に楽しめる。 願わくば、南アメリカに着くまで、もうちょっと何かあれば良かったのになあ。 目新しいさは無いけど、アメリカ映画らしい突拍子もないギャグセンスに大笑いし、ちょっと切なくしんみりなったりして、とてもよい出来に仕上がっている。 家が飛び立つシーンは、なんとも素敵!細やかな描写がとてもいい。 栗4つ。ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン1にて。 ただ、何故3Dかは疑問。別に何も飛び出して来ないよ。 |
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2009 12,05 17:48 |
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夢の映像、消え去りたい記憶と無かったはずの記憶との狭間で、関係する人々へのインタビューを通して、徐々に真実に近づいていく。 ナチス・ドイツ時代には、被害者だったユダヤ人。彼らの子孫が中東で行ったことは、何だったのか?そして、それは今も終わっていない。 スクリーンから津波のように溢れ出す強烈で残酷なメッセージは、印象的な音楽とともに心の底にやりきれない余韻を残す。 今年、見逃せない1本。栗4つ。とにかく、この映画は、体験すべき。 シネスイッチ銀座にて。
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2009 11,23 23:24 |
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京橋郵便局へ小包を取りに行く途中、東劇の前を通ったらTOKYO FILMeXの特集で「ニッポン★モダン1930」というのをやっており、思わず入場。どんな内容の映画かも知らずに・・・。
「親」 (★★★☆☆) サイレント映画で、ピアノ(キーボード)の生演奏付き。 度肝抜かれるアングルと日本の田舎の山河の美しさにメロメロ。もう終始、恍惚とした思いで映像に酔いしれる。 簡易保険局の宣伝映画として作られたため、ラストは、「簡易保険」に入りましょうのPRなのだが、継父役の新井淳のあまりに自然な演技にこれまた度肝抜かれた。 栗3つ。 「恋も忘れて」 (★★★★☆) こちらも上作と同じ清水宏監督のもの。これが戦前の作品とは驚き。1950年代かと思うほどのモダンな内装のホテルやアパートの美術にびっくり。 これまた、アングルが素晴らしく、カメラワークにも惚れ惚れ。 そして何よりも桑野通子の美しさよ。どことなく原節子ふうな清楚な風情。31歳で死んじゃったんだって、それを知って切なくなった。 それ以上に、映画のラストがむごい。まあ、こうしないと終われないのかもしれないけど、こんなにも救いが無いラストもつらいのお。 弱者がいつか報われて成功するなんてことはなく、弱者は弱者のまま、でも少しの勇気を振り絞って、そして消えて行く・・・。 ああ、切ないなあ。見終わってから、なんか電車に乗って帰る気になれず、東銀座から家までとぼとぼ回り道、寄り道をしながら歩いて帰る。 ああ、切ないなあ。でも親子の情愛って、確実に戦前の方が美しくそして麗しいものだったのだなあ。 栗4つ。 日本が美しかった時代に、ちょっと戻りたい。 |
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2009 11,20 21:12 |
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かなり悪趣味で、殺戮シーンなどは、ホラー映画顔負けだけど、この残酷さがタランティーノだねえ。普通のアメリカ映画だったら、絶対殺されないような人まで、どんどん殺していくよ。 1976年のイタリア映画『地獄のバスターズ』のリメイクなんだってねえ。こんな荒唐無稽な映画が、すでにあったのだね。 いちおうブラッド・ピットが主演。ものすごい南部訛りは、台詞が聞き取りにくい。 真の主役は、ナチの大佐役のクリストフ・ヴァルツだねえ。ブラッド・ピット他すべての役者が完全に食われていたよ。 これ意外と観る価値あるよ。殺戮シーンは、かなり気持ち悪いけどね。 栗3つ。ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン10にて。 |
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