2010 06,26 23:21 |
|
でも、なんともありきたりな脚本。 ・かつてのスター、今は落ちぶれてアル中 ・酒と煙草に溺れる日々 ・若い新しいスターに抜かれて寂しい日々 ・シングルマザーとの恋 ・かつての妻との間にできた疎遠な子供に会いたい これって、ミッキー・ロークの「レスラー」がカントリー・シンガーになっただけじゃん。だったら、「レスラー」の方がずっとずっと心に染みるわあ。 まあ、ラストがいいので、観終わった後は、素敵な気分になるけどね。 栗3つ。TOHOシネマズシャンテ2にて。 ジェフは、とってもいい。 |
|
2010 05,22 21:18 |
|
3Dの魅力は、立体というよりその奥行きにある。また画面が二重にぶれているので海賊版のための盗撮抑止効果もある。が、偏向フィルムの眼鏡を掛けるため、画面が暗くなるのが欠点か。 ティム・バートン監督+ジョニー・デップ。いったい何回目のコンビ作品なんだろう。やはり、「シザーハンズ」は超えられないねえ。あ、「スリーピーホロー」も良かったなあ。 何がダメってやっぱり脚本でしょ。ストーリーが陳腐で意表つく展開もなく、残念な物語だ。 赤の女王を演じるこれまたバートン映画常連のヘレナ・ボナム・カーターがド迫力の演技。それだけかなあ見所は。ヘレナ・ボナム・カーター、「眺めのいい部屋」では演技派女優の筆頭かと思ったけど、このところイロモノ女優になっちゃったなあ。この人の演技力はすごいので、もったいないと思うよ。 白の女王のアン・ハザウェイは、ダメだねえ。なんじゃありゃ、学芸会の出し物かって感じの演技だね。 不思議の世界がそれほど不思議じゃないんだよなあ。体が大きくなったり小さくなったりするというオリジナルにあったテイストが一番面白かったりして・・・。 それから、ディズニー映画だったからかなあ、バートン映画に特有のダークでグロテスクなテイストが抑えられてしまったのが残念だったなあ。 3Dを観るための、アリス・イン・CGランドって感じ。栗二つ。 ディズニーランドのアトラクションと考えればいいのかも。 TOHOシネマズ六本木ヒルズ スクリーン7にて。 にっし君が「ポップコーン食べたい」と言うので、「何で?」って聞くと、「映画館ってそういう風情だから」というのが、当たり前すぎてなんとも新鮮だったよ。そう言えば、一年間に100回くらい映画館に来るのに、ポップコーン食べながら観たことって無かったかも。 うーん、かえって斬新ってことで、キャラメル・ポップコーンを買って座席に。ありゃ、ポップコーン止まらないわ。バクバク食いながら映画鑑賞しちゃった。 |
|
2010 05,16 22:19 |
|
日曜の夜は、銀座シネパトスの特集上映「シナリオ作家・水木洋子と巨匠たち」へ。
今日観た映画は、どちらも50年以上前の作品。日本映画が黄金時代と呼ばれていた頃だ。 「驟雨」 (★★★★★) この映画は、大好きで並木座や近代フィルムセンターで上映される度に観に行った。成瀬の作品は、「浮雲」や「晩菊」などえげつないほど重苦しいものを思い浮かべてしまうが、この作品は、とにかく軽やかで明るく楽しい。 倦怠期を迎えた夫婦のやりとり。ただそれだけだ。延々と日常どこにでも転がっている風景や会話が続く。それなのに、何度観ても飽きない。男と女、市井の人々の悲喜こもごもがたっぷりと描かれている。まるで落語と共通するような人間の普遍性を描いている。 何でもない何気ない話がこんなにもドラマチックでロマンチックでセンチメンタルなのだ。 ラストの紙風船のシーンは、一言で表せない「人生」というものを不思議な形で表現している。これからも何度でも観たい愛すべき作品だ。栗5つ。 「おとうと」 (★★★☆☆) 1960年のキネ旬第1位とカンヌで審査員特別賞を受賞している名作、なんだけど・・・。 日本的美をスクリーンに投影した映像の美しさは、素晴らしい。 されど、傍若無人で我侭で荒くれ者の弟がなんでこんなに家族に愛されるのかは疑問だし、そんな奴が病気になったって観ているこちらは何とも思わん。それより早く死ねとか思っちゃうよ。 まあ、ありがちな展開とストーリーだね。姉と弟の不思議な愛情ってのが隠れたテーマかもしれないけど、うーん、あまり感情移入できず・・・。 多くの有名俳優が出演しているが、田中絹代の圧倒的存在感に全てが霞んでしまう。田中絹代、すごすぎ。こんな女優、この人以前にもこの人の後にも観たことがない。栗3つ。 |
|
2010 04,11 23:53 |
|||
三島由紀夫主演の貴重な作品。すっごい昔に大井武蔵野館で観て以来だなあ。
三島由紀夫が裸になるシーンが多いけど、土台が無いところに無理やりボディビルしていて、はっきり言って貧相な体。脚が細すぎ、ヘビメタバンドの兄ちゃんかって感じ。 三島のぎこちない演技は、なんだか笑っちゃうけど、だんだんと見入ってしまうから不思議。 若尾文子は、上手いねえ。自然だし、それでいて当時の強い女を良く演じている。 水谷八重子は、変わらない。バナナの歌に笑っちゃった。 驚きなのは、船越英二。演技うますぎ。超かっこええ。 当時の日本の風景もたまらない。栗3つ、銀座シネパトス3にて。
|
|||
2010 04,11 23:49 |
|
2010 04,10 23:42 |
|
でもねえ、予想通りの展開に予想通りの結末だったよー。あほかーって感じ。 もうバレバレの展開じゃないかあああああ。 「タクシー・ドライバー」や「グッドフェローズ」で魅せた眩いばかりのスコッセッシ流映像表現は、見る影もなく、キューブリックの「シャイニング」の出来損ないみたいな映像だったよ。 こんな映画観るくらいだったら、「エンゼル・ハート」とか「ビューティフル・マインド」を観なおした方が遥かに有意義で素晴らしいよなあ。 がっかりっす。 謎解きも陳腐。というか謎解きなの? ホラー映画みたいだよ。 栗2つ。ユナイテッドシネマ豊洲 スクリーン10にて。 あ、でも音楽の選曲のセンスは抜群だねえ。 エンドクレジットで流れるThis Bitter Earthが最高にクールだぜ。 |
|
2010 04,10 21:00 |
|
ニュース映像やドキュメンタリー風の前半の展開がいやらしくなく、リアリティーがある。有名な俳優が出ていないところがまた臨場感があっていい。 エイリアンが来た理由などはあきらかにされないが、最初は人道(?)支援でその後、異なるものへの排斥の感情が人間っぽくていい。 しかし、高度な知的レベルとものすごい武器があるのに、ゴミ箱をあさる動物的なエイリアンがなんだかなあ?エイリアンの親子愛にも笑っちゃう。 後半は、ありきたりのアクション満載だったけど、迫力もあり、見応え十分。 SFのようなコメディのような社会派ドラマのような、ラブロマンスのような、それでいてやっぱり最後はコメディのような変な映画。 栗3つ。 ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン8にて。 |
|
2010 04,03 22:38 |
|
喜劇に徹した前半が面白い。字幕では都市名になっているけど、実際は空港コードでお喋りしていたり、アメリカ各都市の空撮がとても綺麗。マイルを稼ぎ、航空会社やホテルのエリートメンバーのステイタスを誇る会話が抱腹絶倒。(その筋の人には・・・) 飛行機好きにはたまらない前半が楽しい。アメリカン航空とヒルトンホテルが熱烈タイアップ。 喜劇の中に、職を失う人たちの悲哀と現代人らしい恋愛の姿が若いひと中年の視点から描かれていて興味深い。 古き良きハリウッドの粋でお洒落で、ちょっと切ないラブ・ストーリを彷彿とさせ、とても楽しい映画になっている。 何気ない人生、馬鹿馬鹿しいほど何かに真面目な人々の悲喜こもごもした日常がなんとも言えない。 人事関係の仕事をしている人にも胸に迫るものがあるかもねえ。 エンド・クレジット中の2曲目にかかる曲がこの映画のタイトル・ソング。その詞がとてもよく、この映画のすべてを表していると言ってよい。だから最後まで席を立たないで。 馬鹿馬鹿しくて、悲しくて、ちょっぴり幸せ、それが人生なのかなあ。 栗4つ。TOHOシネマズ日劇2にて。 |
|
2010 04,03 18:36 |
|
カメラなんか存在してないんじゃと思うくらいのリアリズム。手持ちカメラやクローズアップ、スローモーションの効果的使用など映像は魅せる。爆弾処理場面の緊迫感と緊張感は、本当に手に汗握る。また、緊迫感を増幅させる音楽もなかなか。 ただ、物語は爆弾処理の繰り返しで単調。演技は上手いが無鉄砲で自分勝手な主人公には、辟易。 外国人は皆同じに見える的展開も拍子抜けだし、戦争美化とまでは言わないがささやかな日常の幸せより、戦争での緊張感を求める映画の姿勢にはちょっと疑問。 アメリカ側からだけの視点の映画で、まあ、そこがなんだかなあなのよ。 栗3つ。 TOHOシネマズ スカラ座にて。 |
|
2010 03,30 22:19 |
|
「トゥルーマンショー」や「エターナル・サンシャイン」の壮大なスケールと圧倒的想像力が昇華された傑作に比べると、今作は、ちょっと小粒だ。 ジム・キャリーの演技は、かなり大げさでスラップスティック・コメディばり、前述の二作で見せた魅力はない。一方、ユアン・マクレガーは、びっくりの名演技。なんとも自然で魅惑的な青年像は、ジムのみならず観客までも彼と恋に落ちそうだ。 愛する男のために脱獄を繰り返す詐欺師の男の実話の映画化。アメリカって、刑務所に入っても自由に電話かけられるし、中でお金も流通しているし、日本ではちょっと考えられないよねえ。他の映画を観た時も思ったけど、刑務所の図書館ってなんであんなに充実しているんだろう? どんな脱獄をするんだろうと思っていたら、電話と文書偽装で表玄関からどうどうと脱獄するんだよねえ。これって、日本の刑務所じゃありえないよな。なんかアメリカって変。 映画の出来としては、普通。でも、人をこんなにも一途に純粋に愛せるって、ちょっといいわーって思っちゃう。 栗3つ。ユナイテッドシネマ豊洲スクリーン6にて。 ジム・キャリーが自ら言っているように、「トゥルーマンショー」と「エターナル・サンシャイン」は、映画史に残る大傑作。ともに5つ栗映画だよ。観てない人は、こっちを観ような。映画の命は、脚本であることを如実に示す名作だ。「トゥルーマンショー」は、アメリカだから成しえる展開、「エターナル・サンシャイン」は、脳味噌を取り出してぐちゃぐちゃにこねてまた頭に中にもどす、それくらいの衝撃があったなあ。ああ、そんな映画が観たいなあ。 |
|